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犬・猫の進行性網膜萎縮(PRA)とは?ダックスなど好発犬種で知っておきたいポイント

症例

夜間や薄暗い場所で、愛犬や愛猫が立ち止まったり、動きづらそうにしたりする様子を見て「少し怖がりになったのかな」「年齢のせいかもしれない」と感じたことはありませんか。

 

実は、犬や猫の中には、時間をかけてゆっくりと視力が低下していく眼の病気があります。その代表的なものが「進行性網膜萎縮(PRA)」です。PRAは、日常生活の中で少しずつ変化が表れるため、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。

 

今回は、進行性網膜萎縮(PRA)とはどのような病気なのか、どんな症状から気づかれることが多いのか、またダックスフンドなどの好発犬種で特に知っておきたいポイントや、早めに知ることでできる備えについて解説します。

進行性網膜萎縮(PRA)とは|視力がゆっくり低下していく病気

進行性網膜萎縮(PRA)とは、網膜と呼ばれる、光を感じ取る組織が少しずつ変性・萎縮していく病気です。網膜の働きが低下することで、視力が徐々に落ちていきます。

 

PRAの特徴として、次のような点が挙げられます。

 

進行はゆっくりで、急激な変化は起こりにくい

痛みやかゆみなどの症状はほとんどない

最終的には視力を失うことが多い

 

犬に多く見られる病気ですが、猫でも報告されています。また、遺伝性の病気であることもPRAの大きな特徴です。

 

初期の段階では、見た目に大きな異常が出にくいため、飼い主様が「様子の変化」に気づけるかどうかが重要になります。

どんな症状が出る?|最初は夜に見えづらくなることも

PRAの症状は、最初は暗い場所での見えづらさとして表れることが多いとされています。

 

<初期に見られやすい変化>

たとえば、次のような様子が見られることがあります。

 

暗い場所で動きづらそうにする

夜の散歩を嫌がるようになる

段差や階段を怖がる

 

この段階では日中の生活に大きな支障が出ないことも多く、「性格の変化かな」「慎重になったのかも」と見過ごされがちです。

 

<進行すると見られる変化>

病気が進行すると、次のような変化が見られるようになります。

 

明るい場所でも物にぶつかる

おもちゃや動くものを目で追わなくなる

環境の変化に対して強い不安を示す

 

PRAは、見た目では分かりにくく、行動や仕草の変化から気づく病気です。「なんとなく様子が違う」と感じた直感が、早期発見につながることもあります。

原因と好発犬種|遺伝が関係する病気

PRAは、多くの場合、遺伝子の異常が原因で起こります。そのため、特定の犬種で発症しやすいことが知られています。

 

好発犬種の一例としては、

 

ミニチュア・ダックスフンド

トイ・プードル

コッカー・スパニエル

ラブラドール・レトリーバー

 

などが挙げられます。

 

ただし、犬種によって発症しやすい年齢や進行のスピード、発症率には差があります。また、これらの犬種であっても、すべての犬が必ず発症するわけではありません。

 

一方で、遺伝性疾患であるため、症状が出てから対応するのではなく、犬種特性を踏まえて定期的に眼の状態を確認することが、安心につながります。

診断と治療|早く知ることでできる備え

PRAが疑われる場合、大切になるのは「いま、どの程度視力に影響が出ているのか」「今後どのように進んでいきそうか」を把握することです。そのため、動物病院ではいくつかの検査を組み合わせて眼の状態を確認します。

 

<検査>

診察では、主に次のような検査を行います。

 

眼底検査

眼の奥を直接観察し、網膜に萎縮や変化が起きていないかを確認します。PRAの特徴的な変化が見られることもあります。

 

網膜の状態評価

視細胞の状態や、視力低下の進行具合を総合的に評価します。症状が軽い段階では、行動の変化より先に異常が見つかることもあります。

 

遺伝子検査(必要に応じて)

犬種や状況によっては、遺伝子検査を行い、PRAに関連する遺伝的要因があるかを確認することもあります。

 

これらの検査によって「すでに進行が始まっているのか」「どのくらいのスピードで変化していきそうか」といった見通しを立てることができます。

 

<治療>

現時点では、PRAの進行を止める確立した治療法はありません。ただし、だからといって「何もできない病気」というわけではありません。

 

早い段階で診断がつくことで、

 

視力低下を前提とした生活環境の調整

突然見えなくなることによる強い不安や事故の予防

将来を見据えたケアの準備

 

といった対応が可能になります。

 

「知らないまま進行する」よりも「分かったうえで備える」ことが、愛犬・愛猫の安心につながる病気だといえます。

 

<ご家庭でできる対策>

視力が低下してきた場合でも、工夫次第で生活の質を保つことができます。

 

たとえば、

 

家具の配置をできるだけ固定する

模様替えなど、急な物の配置変更を避ける

声をかけてから触れるようにする

 

といった小さな配慮が、不安の軽減や事故防止につながります。

 

早めに状況を把握しておくことで、こうした対策も無理なく段階的に取り入れていくことができます。

まとめ|好発犬種は定期的な眼科チェックを

進行性網膜萎縮(PRA)は、痛みのないまま、ゆっくりと視力が低下していく遺伝性の眼の病気です。そのため、症状に気づいたときには、すでに進行しているケースも少なくありません。

 

特に、ミニチュア・ダックスフンドなどの好発犬種では、症状がなくても定期的に眼の状態を確認しておくことが、安心につながります。

 

姉ヶ崎どうぶつ病院では、眼の状態を丁寧に確認し、その子の生活や将来を見据えたご相談にも対応しています。「もしかして見えづらいのかも」と感じたときや、定期チェックを検討したいときは、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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