コラム
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症例
サロンとの違いは?動物病院併設トリミングで叶える美容と健康ケア
犬や猫の健康と快適な生活を保つためには、定期的なトリミングが欠かせません。毛並みを整えるだけでなく、皮膚や体の状態を観察する大切な機会にもなります。
しかし「サロンと動物病院のトリミングは何が違うの?」と迷われる飼い主様も少ないのではないでしょうか。
今回は、動物病院併設のトリミングの魅力についてご紹介します。
トリミングが健康に与える3つの効果
トリミングは見た目を整えるだけではなく、犬や猫の健康管理にも直結しています。主な効果は次の3つです。
◆ 毛玉や被毛のもつれ防止
毛玉やもつれは皮膚の通気性を悪くし、蒸れや炎症、皮膚病の原因になることもあります。定期的なブラッシングやカットにより、皮膚トラブルの予防にもつながります。
◆ シャンプーによる皮膚トラブル予防
皮膚に付着した汚れや余分な皮脂を洗い流すことで、細菌や寄生虫によるトラブルを防ぎます。皮膚の健康は、かゆみやフケの軽減にもつながります。
◆ 爪切り・耳掃除・肛門腺絞りで生活を快適に
伸びすぎた爪は歩行に支障をきたしたり、肉球に食い込んでしまうこともあります。また、耳掃除や肛門腺絞りは不快感や感染を防ぎ、犬や猫が快適に過ごせるようにサポートします。
つまり、トリミングは「美容」と同時に「健康維持」に直結する重要な習慣といえるでしょう。
サロンとどう違う?動物病院併設トリミングの安心ポイント
一般的なトリミングサロンは、美容を目的としたサービスが中心です。もちろん丁寧に仕上げてもらえますが、健康チェックや医療的な対応は範囲外のため、持病のある子や高齢の子は断られることもあります。
一方で、動物病院併設のトリミングには、次のような安心できるメリットがあります。
◆ 美容と健康管理を同時に
トリミング中に皮膚や耳、歯、体のしこりなどを確認し、健康上の異常を早期に発見できることがあります。
◆ 獣医師とのスムーズな連携
もし体調不良が見つかった場合も、すぐに診察や処置につなげられるので安心です。
◆ 高齢犬・持病のある子への柔軟な対応
事前に診察を行うことで、年齢や疾患の有無に合わせて無理のない範囲で施術を調整します。
このように、サロンでは難しいケースにも対応できるのが病院併設トリミングの強みです。愛犬や愛猫の美容と健康を同時に守れる、安心して任せられる環境が整っています。
姉ヶ崎どうぶつ病院のトリミング
当院のトリミングは、病院併設ならではの強みを活かし、飼い主様にも安心してご利用いただける体制を整えています。
◆ 獣医師との連携体制
トリマーが施術中に異常を見つけた場合は、必要に応じて獣医師がチェックし対応します。
◆ 年齢や体調に合わせたケア
10歳以上の子も体調を見ながら施術が可能です。(必要に応じて事前診察を行います)
◆ 負担を抑えた施術
体力や体調に合わせて、その子に無理のない方法で進めます。お預かり中に予防接種や検査を同時に行うことも可能です。
◆ 健康チェックの実施
皮膚の状態や耳の様子、体のしこりなど、見落としやすい変化も確認します。
トリミングは、生後3か月齢頃で2回目のワクチンが終わっていれば始められます。
初めてご利用の際には、まず診察で犬や猫の健康状態を確認させていただきます。そのうえで、安心してトリミングを受けていただけるようにしています。
<新規限定!初回トリミング料金20%オフキャンペーン>
姉ヶ崎どうぶつ病院では、現在「初めてご利用の方」に向けてお得なキャンペーンを実施しています。
・実施期間:2025年10月31日(金)まで
・キャンペーン内容:初回トリミング料金 20%オフ(※事前診察が必要となる場合があります)
当院のトリミングは、病院併設ならではの健康チェックやシニア犬・持病のある子への配慮が特長です。「安心して任せられるトリミングを探している」という飼い主様は、ぜひこの機会にお試しください。
▼トリミングキャンペーンについての詳しいご案内はこちらから
まとめ
トリミングは見た目の美しさを保つだけでなく、犬や猫の健康を守る大切な習慣です。特に病院併設のトリミングは、美容と健康管理を同時に行える安心感があります。
姉ヶ崎どうぶつ病院では、年齢や持病の有無にかかわらず、獣医師と連携しながら一頭一頭に合わせたケアを行っています。初めての方もどうぞお気軽にご相談ください。
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症例
犬の膵炎|原因・症状・食事管理まで獣医師が詳しく解説
愛犬がいつもと違ってぐったりしていたり、急に吐いたりすると、何が起きているのかと心配になりますよね。
犬に発症しやすい病気のひとつに「膵炎(すいえん)」があります。重症化すると命に関わることもあるため、正しい知識を持ち、できるだけ早く気づいてあげることが大切です。
今回は、犬の膵炎について原因や症状、治療の流れや食事管理のポイントを獣医師の視点から解説します。
膵炎とは?犬の膵臓の役割と病気の仕組み
膵臓はお腹の奥にある臓器で、次の2つの大切な役割を担っています。
・消化酵素を出して食べ物の分解を助ける
・インスリンなどのホルモンを分泌し、血糖値をコントロールする
膵炎とは、この膵臓が炎症を起こし、自らの消化酵素によって膵臓や周囲の組織が傷ついてしまう病気です。
<膵炎の種類>
膵炎には大きく分けて 「急性膵炎」 と 「慢性膵炎」 があります。
◆ 急性膵炎
ある日突然発症し、激しい嘔吐や強い腹痛が見られるのが特徴です。短時間で重症化することもあり、命に関わるケースもあるため、迅速な治療が欠かせません。
◆ 慢性膵炎
急性のような激しい症状は出にくいものの、食欲不振や消化不良が長期間続きます。膵臓の働きが少しずつ低下し、進行すると糖尿病や消化吸収不良といった合併症につながることもあります。長く付き合っていく病気だからこそ、継続的な管理が重要です。
主な原因と症状
犬の膵炎は「いつもと違う様子」に気づくところから始まることが多い病気です。最初は軽い体調不良のように見えても、実際には体の中で炎症が進んでいることもあるため、早めに気づいてあげることが大切です。
<犬の膵炎の原因>
膵炎の原因は一つではなく、複数の要因が関係します。代表的なものは以下の通りです。
・高脂肪の食事や、人の食べ物・おやつを急にたくさん食べた
・肥満や高脂血症
・他の病気(糖尿病、クッシング症候群、肝疾患など)
・一部の薬の副作用
・外傷や手術後の合併症
原因が特定できない「特発性膵炎」と呼ばれるタイプも多く見られます。
<犬の膵炎の症状>
膵炎になると、次のような症状が見られることがあります。
・嘔吐や下痢
・食欲不振
・元気がなくなる
・お腹の痛み(背中を丸める姿勢をとる、触られるのを嫌がるなど)
・発熱
急性膵炎はわずかな時間で重症化することがあります。「少しおかしいかな?」と感じたら、できるだけ早く動物病院へご相談ください。
診断と治療の流れ
膵炎は外から見ただけでは判断できません。いくつかの検査を組み合わせて、初めて正確な診断が可能になります。適切な検査を受けることが、その後の治療方針を決める大切なステップです。
<主な検査の内容>
膵炎の診断では、次のような検査を組み合わせて総合的に判断します。
・血液検査:炎症の有無や膵臓の酵素の数値を確認
・エコー検査:膵臓の腫れや臓器の状態をリアルタイムで観察
・レントゲン検査:他の病気を除外する目的で実施
<治療の進め方>
膵炎の治療は「急性」と「慢性」で異なります。
◆ 急性膵炎
命に関わることもあるため、入院での管理が必要になる場合があります。点滴で水分や電解質を補い、膵臓を休ませるための絶食、さらに痛み止めや吐き気止めを組み合わせて状態を安定させていきます。
◆ 慢性膵炎
食事の調整や定期的な検査で、症状をコントロールしていきます。自己判断でフードを変えたり薬を中止することは症状の悪化につながるため、必ず獣医師の指導のもとで管理しましょう。
膵炎と食事管理・予防のポイント
膵炎は再発することも少なくありません。だからこそ、ご家庭での食事管理や生活習慣の工夫がとても重要です。
<食事管理の基本>
急性膵炎から回復した直後は、低脂肪で消化しやすい食事を与えることが基本です。油分の多いフードやおやつは避け、特に人の食べ物は膵臓への大きな負担となるため与えないようにしましょう。
<療法食の活用>
膵炎に配慮した療法食は、栄養バランスが調整されており、再発予防に有効です。長期的に安心して続けられるため、かかりつけの獣医師と相談しながら導入していきましょう。
<体重管理と生活習慣>
肥満は膵臓に大きな負担をかけます。適正体重を維持できるよう、運動量や食事量を見直すことも予防につながります。
<定期的な検査で安心を>
膵炎は再発しても初期には症状が目立たないことがあります。定期的な血液検査やエコー検査を受けることで、早期発見・早期対応が可能になります。
日々の食事や体調管理を少しずつ積み重ねることが、膵炎の再発を防ぎ、愛犬・愛猫が健やかに過ごすための大きな支えとなります。
まとめ
膵炎は犬や猫にとって決して珍しくない病気ですが、早期に気づき、適切な検査と治療を受けることで改善が見込めます。特に食事管理や生活習慣の工夫は、ご家庭でできる大切なケアのひとつです。
「少し元気がない」「吐くことが増えた」といったちょっとした変化が膵炎のサインであることもあります。気になる症状が見られたときは、お早めにご相談ください。
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症例
犬や猫のスケーリングって必要?歯石・口臭・歯周病を防ぐために知っておきたいこと
「口が臭う気がする」「歯が黄ばんでいる」「歯磨きを嫌がるようになった」
愛犬や愛猫のこうしたお口のトラブルに悩まれている飼い主様も少なくないのではないでしょうか。
その原因の多くは“歯石”や“歯周病”によるものです。歯周病の予防や進行を抑えるためには、日常のケアに加えて「スケーリング(歯石除去)」という処置が有効な場合があります。
今回は、犬や猫のスケーリングについて、必要性や処置の内容、実施の目安などを詳しく解説します。
歯石はどうしてつくの?歯周病の進行とリスク
犬や猫のお口の健康を守るためには、まず「歯石がどのようにしてできるのか」を知っておくことが大切です。ここでは、歯石ができるまでの流れと、放置した場合に起こりうるリスクについてご説明します。
・歯垢(プラーク):食べかすや細菌が歯の表面にたまったもの
・歯石:歯垢が時間とともに石のように硬くなった状態(数日で形成)
・歯周病:歯石の中で増殖した細菌が、歯ぐきや歯を支える骨にダメージを与える状態
歯垢のうちに落とせれば、歯磨きなどのケアで対応できますが、一度歯石になってしまうと自宅で取り除くことはできません。放置すると、炎症が進行し、歯ぐきが腫れたり、歯がぐらついたり、さらには抜けてしまうこともあります。
また、歯周病が悪化すると口臭や痛みだけでなく、心臓・腎臓など他の臓器に影響を及ぼすおそれもあるため、注意が必要です。
▼犬・猫の歯周のについてはこちらで詳しく解説しています
スケーリングとは?歯石を取るための処置内容と流れ
スケーリングとは、歯にこびりついた歯石を専用の機器で除去する処置のことをいいます。歯周病の進行を防ぎ、口腔内を健康な状態に近づけるために行います。
◆ 全身麻酔下での処置が基本
スケーリングは歯の裏側や歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)まで丁寧に行う必要があるため、基本的には全身麻酔下で実施します。
「麻酔が心配…」という飼い主様もいらっしゃいますが、動いてしまうと処置中に口の中を傷つけてしまうおそれがあるため、安全性を考えても麻酔下での実施が望ましいとされています。
◆ スケーリングの流れ
1.術前検査
血液検査などを行い、全身麻酔に耐えられる健康状態かどうかを確認します。
2.麻酔導入
体調に配慮しながら、全身麻酔をかけていきます。
3.スケーリング処置
専用の器具を使って、歯にこびりついた歯石を丁寧に除去します。
4.必要に応じた処置
歯がぐらついている場合は、抜歯などの処置を行うこともあります。
5.ポリッシング(研磨)
歯の表面を磨き、再び歯石や汚れがつきにくくなるように仕上げます。
処置後は、麻酔からの覚醒や食事の様子を確認し、状態が安定してからご帰宅いただきます。
スケーリングはした方がいい?必要なケースと判断のポイント
スケーリングはすべての犬・猫に必要というわけではありませんが、歯石がすでに付着している場合や、口臭・出血・ぐらつきがある場合は実施を検討した方がよいケースです。
以下のようなサインが見られる場合は、一度動物病院でのチェックをおすすめします。
・口臭が強くなった
・歯の黄ばみや茶色い汚れが目立つ
・歯ぐきが赤く腫れている
・食べにくそうにしている
・歯を触られるのを嫌がる
<予防のためのチェックも大切>
歯石がついていなくても、定期的にお口の中をチェックする習慣をつけることが大切です。早期に異常を発見できれば、処置の負担も軽く済みます。
「歯磨きの仕方がわからない」「嫌がってできない」など、お困りの際もぜひご相談ください。
<7〜8月限定!スケーリングキャンペーン実施中!>
姉ヶ崎どうぶつ病院では、現在、以下の内容で「スケーリングキャンペーン」を実施しています。
・実施期間: 2025年7月1日〜8月31日
・キャンペーン内容: 犬・猫のスケーリング費用 20%オフ(※術前検査費用は対象外)
歯石除去を検討されている飼い主様は、ぜひこの機会をご活用いただければと思います。ご希望の方は、どうぞお早めにお問い合わせください。
▼スケーリングキャンペーンについての詳しいご案内はこちらから
まとめ
歯石や歯周病は、見えにくく気づきにくいものですが、実は犬や猫の健康に大きな影響を及ぼすことがあります。スケーリングは、そうしたお口のトラブルを防ぐための大切なケアのひとつです。
「口が少しにおう気がする」「歯の色が変わってきたかも?」
そんなちょっとした気づきが、早めのケアにつながります。愛犬・愛猫がずっと元気に過ごせるように、お口の健康も注意深く見守ってあげましょう。
気になることがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
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症例
雨の日も楽しく運動不足対策!室内犬のストレス解消アイディア
梅雨の時期になると、お散歩に行けない日が増え、愛犬のストレスが気になるという飼い主様も多いのではないでしょうか。
外で思いきり体を動かすことができない日が続くと、運動不足だけでなく、心のバランスにも影響が出ることがあります。「最近いたずらが増えた」「落ち着きがなくなった気がする」といった変化がみられるときは、愛犬がストレスを感じているサインかもしれません。
今回は、雨の日でも愛犬が楽しく過ごせるよう、自宅で実践できるストレス解消アイディアをご紹介します。
その行動、ストレスかも?運動不足がもたらす体と心の変化
室内で生活している犬にとって「運動」は心身の健康に欠かせない要素です。
本来、犬は散歩を通して探検したり、においを嗅いだり、人や動物と関わったりしながら、本能的な欲求を満たしています。
しかし、天候不良などで刺激の少ない日が続くと、心と体のバランスが崩れやすくなり、知らず知らずのうちにストレスがたまってしまいます。
<室内犬が抱えやすいストレスの原因>
・運動不足
・外の刺激がない環境
・日常の単調さ
・コミュニケーション不足
こうした要素が重なると、さまざまなストレスサインとして行動に表れることがあります。
<よくみられるストレスサイン>
・破壊行動:おもちゃをかじり続ける、家具を壊す
・落ち着きのない行動:吠え続ける、そわそわと動き回る
・過剰なグルーミング:前足をなめ続ける、体をかきむしる
・反復的な動き:しっぽを追いかける
・体調の変化:食欲不振、下痢など
このようなサインがみられた場合は「雨の日だから仕方ない」と済ませず、少しでもリフレッシュできる環境づくりを心がけてあげましょう。
おうちでできる!室内でのストレス&運動不足解消法
雨の日でも、ちょっとした工夫で愛犬と楽しく過ごすことができます。ここでは、室内で手軽にできる運動や遊びのアイディアをご紹介します。
◆ 室内でもできる軽い運動
体を動かすことでエネルギーを発散し、問題行動の予防にもつながります。
・「持ってきて」遊び
ボールやおもちゃを軽く投げて「もってきて!」と声をかけましょう。持ってきたらしっかり褒めて、楽しさと達成感をプラス。
・タオルで作るミニ障害物レース
丸めたタオルやクッションで簡単なコースをつくり、またがせたりくぐらせたり。体と頭を同時に使う、良い刺激になります。
・軽い引っ張りっこ
ロープやぬいぐるみを使って遊びます。「スタート」「おしまい」の合図を決めておくと、興奮しすぎず遊べます。
・かくれんぼ遊び
飼い主様が隠れて名前を呼び、探してもらう遊びです。遊びながら絆が深まり、見つけたときの喜びが自信にもつながります。
◆ 知育トイで「頭の運動」
頭を使った遊びは、退屈やストレスの解消に効果的です。
STEP① フードやおやつを少量準備
STEP② コングやおやつボールなどにセット
STEP③ 鼻や前足で工夫する様子を見守り、時々声をかけて応援しましょう
◆ トリック練習で集中力アップ
指示に集中することで気持ちが落ち着き、1日のメリハリづくりにも役立ちます。
STEP①「おすわり」「ふせ」「くるん」など基本的なトリックを選ぶ
STEP② 成功したらすぐにご褒美を
ご褒美は、おやつだけでなく、ほめ言葉やスキンシップでもOKです。ご褒美が毎回おやつだとカロリー過多になることもあるため、愛犬が喜ぶ方法をうまく取り入れましょう。
楽しみながら「できた!」を重ねることで、落ち着きや自信が育ちます。
◆ スキンシップ&マッサージで安心感を
体を動かしたあとは、ゆったりとした時間も大切です。
やさしく撫でたり、顔まわりや背中、肩などをマッサージしてあげましょう。
飼い主様のぬくもりは、愛犬にとって大きな安心材料です。特に雨音や気圧の変化で不安定になりやすい日は、スキンシップが心の安定にもつながります。
<ワンポイントアドバイス>
子犬や高齢犬、小型犬は体力に限界があります。
運動量や刺激は、その子に合ったペースで調整してあげましょう。
症状が続くときは要注意|病気や行動の専門的サポートも
室内での工夫をしても、なかなか元気が戻らない、行動が普段と違う…そんなときは「ストレス以外の原因」が隠れていることも考えられます。
一見ストレスのように思える行動でも、以下のような身体の不調が関係しているケースも少なくありません。
・甲状腺機能の異常:元気がない、寝てばかりいる
・関節疾患:動きたがらない、攻撃的になる
・消化器の不調:食欲不振、嘔吐や下痢が続く など
▼消化器の不調についてはこちらで詳しく解説しています
体調と行動の変化は密接に関係しているため「様子を見ているうちに悪化してしまった」というケースもあり、注意が必要です。「雨のせいかな」「そのうち治るかも」と見過ごさず、小さな変化でも気になることがあれば、早めの受診をおすすめします。
<行動面が気になる場合は専門家に相談を>
次のような問題行動が続く場合は、獣医師やドッグトレーナーのサポートを受けるのも一つの方法です。
・家具を壊す、トイレの失敗が続く
・吠えやすくなった、要求が増えた
・落ち着きがなく、指示が通らない
行動診療を取り入れている動物病院や、しつけ・環境の見直しを支援する専門家に相談することで、飼い主様と愛犬の双方が安心して過ごせる環境づくりにつながります。
まとめ
梅雨や雨の日が続くと、愛犬にとってもストレスがたまりやすくなります。運動不足や刺激の少なさによって心と体のバランスが崩れ、行動や体調に変化が出ることも珍しくありません。
そんなときこそ、日常のなかでできる工夫が大切です。知育トイや室内遊び、トリック練習、スキンシップなどを取り入れることで、愛犬が楽しくリフレッシュできる時間をつくってあげましょう。
一方で、ストレスのように見える症状のなかには、体の不調や病気が隠れていることもあります。気になる行動が続くときや、普段と様子が違うと感じたときには、早めに動物病院へご相談ください。
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犬の夏バテ対策ガイド|予防法と症状が出たときの正しい対処法
夏の暑さは、犬にとっても大きな負担になります。特に高温多湿な日本の夏は、体温調節が苦手な犬にとって過酷な季節です。
暑さが続くと、体力の消耗や体調の変化が少しずつ表れてくることもあります。深刻な体調不良につながる前に、早めの対策を講じることが大切です。
今回は、夏バテを防ぐための日常の工夫と、症状が出たときに飼い主様ができる対処法について、獣医師の視点から詳しく解説します。
その不調、夏バテかも?犬に見られるサインと注意点
犬の夏バテとは、暑さや湿度によって体に負担がかかり、食欲や元気が少しずつ落ちていく状態を指します。明確な医学用語ではありませんが、人と同じように夏の暑さで体調を崩すことがあり、放っておくと深刻な不調につながることもあります。
特に短頭種(フレンチ・ブルドッグ、パグなど)や高齢犬、肥満の犬、持病がある犬は、夏バテや熱中症のリスクが高いため注意が必要です。
<夏バテの主な症状>
・食欲の低下
・活動量の減少、寝てばかりいる
・元気がなくなる
・下痢や軟便、嘔吐
・呼吸が荒くなる、パンティングが増える
夏バテは熱中症と違い緊急性を要するものではありませんが、徐々に体調に変化が生じます。日々の様子を観察し、いつもと違うサインに早めに気づいてあげましょう。
今日からできる!犬の夏バテ予防法
夏バテを防ぐためには、毎日の生活環境や習慣の見直しがとても大切です。ここでは、すぐに始められる4つの対策をご紹介します。
◆ 室温・湿度を快適に整える
犬は人より暑さに弱く、自力で体温を下げるのが得意ではありません。エアコンや扇風機を上手に使い、快適な環境を保ちましょう。
・エアコンは日中・夜間ともに使用する(26〜28℃が目安。暑さに弱い犬はやや低めに)
・直射日光を避けられるように、カーテンや家具の配置を見直す
・扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
犬が自分で涼しい場所を選べるよう、複数の居場所を用意しておくのもおすすめです。
◆ 水分補給の工夫
暑さによる脱水は、夏バテや熱中症の引き金になります。水を飲む量が少ない子には、次のような工夫をしてみましょう。
・水皿を複数の場所に設置する
・自動給水器を使うと飲む量が増える場合も
・ウェットフードやスープ、ゼリー状のおやつを取り入れる
・ペット用の経口補水液を活用する
飲む量が減っていると感じたときは、早めの対策が重要です。「飲める環境」だけでなく「飲みたくなる工夫」も大切です。
◆ 食事を無理なく続けられる工夫を
食欲の低下は夏バテの初期サインのひとつです。無理に食べさせようとせず、愛犬のペースに合わせた調整を心がけましょう。
・朝晩の涼しい時間帯に与える
・香りが立つフードを選ぶ(温めると嗅覚が刺激されやすくなります)
・野菜やささみなどを少量トッピングして食欲を引き出す
※トッピングはあくまで一時的な対応とし、主食の栄養バランスを崩さないようにしましょう。
◆ 散歩や運動の時間を見直す
真夏の日中の散歩は犬にとって負担が大きく、熱中症や肉球のやけどのリスクもあります。散歩の時間帯と内容を見直し、安全に体を動かせるようにしましょう。
・早朝または日没後など、気温が下がった時間帯に行く
・アスファルトの熱さを手で確認してから出発
・散歩の代わりに室内でのおもちゃ遊びやトリック練習も◎
「短時間でも毎日少しずつ動く」ことが、体力維持には効果的です。
このように、犬の夏バテは「暑い日に気をつければいい」だけではなく、日々の小さな工夫の積み重ねが、元気に夏を過ごすカギとなります。
それでも夏バテしてしまったら?症状別の対処法
どんなに気をつけていても体力や食欲が落ちてしまうことはあります。特に夏は、犬にとって体温調節が難しく、少しの体調の変化でもぐったりしてしまうことも珍しくありません。ここでは、軽度の夏バテに気づいたときに飼い主様ができるサポート方法をご紹介します。
◆ 静かで落ち着ける環境を整える
体調が優れないときは、過度な刺激もストレスの原因になります。家族の出入りが少ない静かな部屋や、風通しのよい場所でゆっくり過ごせるようにしてあげましょう。
◆ 体を冷やす工夫を取り入れる
鼻先やパンティングが続いたり耳が熱くなっているときは、体温が上がっているサインかもしれません。濡らしたタオルで体をやさしく拭いたり、保冷剤をタオルで包んで首元や内股に当てるなど、無理のない範囲で体を冷やす方法を取り入れてみてください。
◆ 食事は少量ずつ、回数を分けて与える
一度にたくさん食べられないときは、食事を1日3~4回に分けることで消化の負担を減らし、少しずつエネルギーを補給できます。
◆ 散歩や遊びよりも「しっかり休む」ことを優先
夏バテ気味のときは、軽い運動でも体に負担をかけることがあります。散歩は控えめにし、体調が回復するまでは安静に過ごすように心がけましょう。
<すぐに動物病院へ相談すべきサイン>
以下のような症状が見られる場合は、軽度の夏バテではなく、脱水症状や内臓疾患、熱中症などの命にかかわる緊急性の高い状態が疑われます。
・水や食事をまったく受け付けない
・嘔吐や下痢が繰り返し続いている
・体が熱い、あるいは冷たい
・呼吸が早く、苦しそうな様子がある
・舌や歯ぐきが白っぽい、青紫色になっている
・ぼんやりしていて、目に力がない
・横になったまま動こうとしない
どれかひとつでも当てはまる場合には「様子を見る」のではなく、できるだけ早く動物病院を受診してください。
まとめ
夏の暑さは、犬の体にとって大きな負担となります。体調の変化がゆるやかに進む夏バテは、気づいたときには食欲や元気が大きく落ちていることも少なくありません。
日々の生活の中でできる工夫をこまめに取り入れつつ、それでも様子が変わらない場合や「いつもと違うな」と感じたときには、早めに動物病院へご相談ください。
ちょっとした変化に気づいてあげることが、愛犬の健康を守る第一歩です。無理なくできることを続けながら、夏を元気に乗り切っていきましょう。
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