
コラム
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症例
どんぐりや落ち葉に要注意!秋の犬の散歩で起こりやすい危険と対策
秋は涼しくなり、愛犬との散歩が気持ちいい季節です。しかしその一方で、秋ならではの危険も増えることをご存じでしょうか。
例えば、散歩中の誤食、虫刺され、昼夜の寒暖差による体調不良、そして日が暮れる時間の早まりによる事故など、気持ちのよい季節だからこそ油断せず、愛犬を守る工夫が必要です。
今回は、秋の犬の散歩で起こりやすい危険と、その対策について詳しくご紹介します。
誤食に要注意!身近に潜む危険な植物や食べ物
秋の散歩道には犬が好奇心から口にしてしまう危険なものが多くあります。
◆ どんぐり・銀杏
食べると下痢や嘔吐を引き起こすことがあり、大量に摂取すると中毒症状(ふらつき、けいれん)につながる場合もあります。
◆ キノコ
見分けが難しく、中には強い毒をもつ種類もあります。数口食べただけで肝臓や腎臓にダメージを与えるケースもあるため、絶対に口にさせないことが大切です。
◆ 落ち葉
湿った落ち葉はカビや細菌が繁殖しやすく、誤食すると嘔吐・下痢などの消化器症状を招きます。
◆ 公園の食べ残し
秋は行楽シーズンで、公園に食べ残しやゴミが落ちていることも多くなります。人の食べ物は犬にとって中毒のリスクがあるため注意が必要です。
こうした身近なものでも、犬にとっては思わぬ危険となるため、意識して見守ってあげましょう。
▼誤飲・誤食について詳しくはこちらから
季節の変化で注意したい体調トラブル
秋は過ごしやすい季節である一方で、実は犬の体調が変化しやすい時期でもあります。気温や環境の移り変わりによって、思わぬ不調が表れることもあるため注意が必要です。
◆ 寒暖差による不調
昼夜の寒暖差が大きい日は、呼吸器や消化器に負担がかかりやすく、咳や下痢の症状が出ることがあります。特に短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)は気温変化に弱いため注意が必要です。
◆ 花粉によるアレルギー
秋はブタクサなどの花粉が飛散し、くしゃみや鼻水、皮膚のかゆみを訴える犬もいます。散歩から帰ったら体を拭いて花粉を落とすだけでも症状軽減につながることがあります。
▼犬のアレルギー性皮膚炎について詳しくはこちらから
◆ 夏の疲れが残る「秋バテ」
高温多湿の夏を過ごしたあと、体力を消耗して秋になっても食欲が戻らない子がいます。食欲不振や元気消失が続く場合は、内臓の病気が隠れていることもあるため早めの受診がおすすめです。
◆ シニア犬や持病がある子は特に注意
心臓病や関節疾患を抱える子では、気温差や長時間の散歩が負担になります。いつもより疲れやすい、歩きたがらないといったサインを見逃さないようにしましょう。
季節の変わり目は小さな体調変化が大きな病気のサインになることもあります。散歩の際は愛犬の様子をよく観察し、気になる症状があれば早めにご相談ください。
快適で安全な散歩の工夫
秋のお散歩を安心して楽しむためには、ちょっとした準備や工夫が大切です。毎日の習慣に取り入れるだけで、思わぬトラブルを防ぐことにつながります。
<誤食対策>
落ち葉やどんぐりなど、犬が好奇心から口にしてしまうものは意外と多いものです。実際、誤食がきっかけで来院されるケースも少なくありません。
・危険なものが落ちている可能性のある場所や草むらを避ける
・リードを短めに持ち、目を離さない
・拾い食いの癖がある子には口輪を活用
もし「食べてしまったかも」と心配になったときは、早めにご相談いただくと安心です。
<夜道の安全対策>
秋は日没が早く、夕方の散歩もあっという間に暗くなります。事故を防ぐためには、次のような工夫が有効です。
・首輪やリードに反射素材を使う
・LEDライトを装着して視認性を高める
特に黒っぽい被毛の子は暗い場所で見えにくいため注意しましょう。
<散歩ルートの工夫>
落ち葉が積もる場所にはカビやゴミが隠れていることがあり、草むらにはダニが潜んでいることもあります。愛犬の健康を守るためには、できるだけ安全なルートを選んであげることが大切です。
<虫対策は秋も継続>
ノミ・マダニ・蚊は秋も活動しています。
予防を夏でやめてしまうと「フィラリア症」や「ダニ媒介性疾患」といった病気のリスクが残ります。涼しくなっても油断せず、動物病院で処方される予防薬を継続しましょう。
▼犬のフィラリア予防について詳しくはこちらから
<水分補給を忘れずに>
涼しい季節でも、乾燥によって脱水を起こす子は少なくありません。
・散歩のときは水と器を必ず持参する
・途中で立ち止まり、こまめに水を与える
飲む量や排尿の様子も、体調の変化を知る大切な手がかりになります。日々の散歩のなかで観察を心がけてあげましょう。
まとめ
秋の散歩は気持ちの良い時間ですが、どんぐりや落ち葉の誤食、花粉や寒暖差による体調不良、暗くなる時間の早まりによる事故など、気をつけたい危険が多く潜んでいます。日々の環境をよく観察し、無理のないペースで歩くことを心がけましょう。
また「少し元気がない」「咳が増えた」といった小さな変化も、体調トラブルのサインであることがあります。気になる様子が見られた際は、早めに動物病院にご相談ください。
愛犬との秋のお散歩を、安全で楽しい時間にしていきましょう。
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症例
犬・猫の換毛期に注意!秋の抜け毛対策とグルーミングのポイント
秋になると、家の中にふわふわ舞う抜け毛に「掃除が追いつかない…」と感じる飼い主様も多いのではないでしょうか。
実はこの時期の抜け毛は、単に掃除が大変になるだけでなく、放置すると毛玉や皮膚トラブルにつながり、犬や猫の健康にも影響を与えることがあります。
今回は、秋の換毛期に知っておきたい抜け毛対策と、愛犬・愛猫が快適に過ごすためのグルーミングの工夫をご紹介します。
換毛期とは?秋に抜け毛が増える理由
犬や猫は季節の変わり目に被毛が生え変わる「換毛期(かんもうき)」を迎えます。特に秋は、夏の軽やかな毛から冬の厚い毛へと切り替わる時期。寒さに備えて被毛が密になるため、抜け毛の量が一気に増えます。
この抜け毛を放置すると…
・からまって毛玉になり、皮膚を引っ張って痛みやかゆみの原因になる
・通気性が悪くなり、蒸れや皮膚炎が起こりやすくなる
・抜け毛に雑菌や汚れが付着し、ニオイの原因になることも
「毛が抜けるのは仕方ないこと」と思ってしまいがちですが、実は健康を守るためにもケアが欠かせない季節なのです。
換毛期に行いたいグルーミングの基本
秋の換毛期を快適に過ごすためには、次のようなケアを心がけてみましょう。
◆ ブラッシングは“毎日”が理想
抜け毛を取り除くだけでなく、血行促進や皮膚の健康維持にもつながります。
ブラシの種類も、短毛種にはラバーブラシ、長毛種にはスリッカーブラシなど、その子に合ったものを選ぶと効果的です。
◆ シャンプーで清潔を保つ
換毛期にシャンプーをすると、皮膚や毛に残っている抜け毛をまとめて落とせます。
月1〜2回が目安ですが、皮膚が弱い子は頻度を控え、低刺激のシャンプーを使うと安心です。
◆ そのほかのケアも一緒に
換毛期のタイミングに合わせて、以下も一緒に行うと快適に過ごせます。
・爪切り
・耳掃除
・肛門腺ケア
ただし、強いにおいや赤みがあるときは病気が隠れている場合もあるため、早めに動物病院にご相談ください。
<ご家庭でのケアとプロに任せるケアの線引き>
換毛期のお手入れはご家庭でも十分に行えますが、すべてを無理なくカバーできるわけではありません。どこまでを自宅で行い、どこからをプロに任せるべきかを知っておくと安心です。
▼ご家庭でできること
日常的なブラッシング、簡単なシャンプー
▼プロに任せた方が安心なこと
毛玉が大きく絡まった場合、シニアや持病のある子のシャンプー
毛玉を無理に取り除こうとすると皮膚を傷めてしまうこともあるため、難しいと感じたらプロにお願いするのが安心です。
姉ヶ崎どうぶつ病院のトリミングの特徴
姉ヶ崎どうぶつ病院では、病院に併設されたトリミング室をご用意しています。美容のためだけでなく、健康面にも目を配りながら施術を行えるのが大きな特長です。
◆ 病院併設だからこその安心
当院のトリマーは、日常的に獣医師と連携を取りながら施術を行っています。
施術中に皮膚の赤みやしこりなど気になる変化を見つけた場合は、すぐに獣医師が確認し、必要に応じて対応できる体制を整えています。
◆ 年齢や体調に合わせた無理のない施術
年齢制限なく受け付けており、持病がある子も事前診察を行ったうえで、安全な方法でトリミングを進めます。体力や体調を考慮しながら、その子に合わせた負担の少ない施術を心がけています。
◆ 健康チェックを兼ねたトリミング
換毛期は特に皮膚トラブルや抜け毛が増える時期です。施術の前後には皮膚の状態や耳の中、被毛の質感などを細かく確認し、小さな変化も見逃さないようにしています。
普段の生活では気づきにくい体調のサインを早めに発見できるのも、病院併設のトリミングならではの強みです。
<新規限定!初回トリミング料金20%オフキャンペーン>
姉ヶ崎どうぶつ病院では、現在「初めてご利用の方」に向けてお得なキャンペーンを実施しています。
・実施期間:2025年10月31日(金)まで
・キャンペーン内容:初回トリミング料金 20%オフ
(※事前診察が必要となる場合があります)
病院併設ならではの丁寧なケアを、この機会に実感していただければと思います。
▼トリミングキャンペーンについての詳しいご案内はこちらから
【初回トリミング料金20%OFF】トリミング室からお得なキャンペーンのお知らせ
まとめ
秋の換毛期は、犬や猫が健やかに冬を迎えるための大切な準備期間です。毎日のブラッシングやシャンプーで清潔に保ち、皮膚の状態をよく観察することがポイントとなります。
そして、もし毛玉や皮膚トラブルが気になるときには、無理せず専門家に任せることも大切です。当院のトリミングは、抜け毛対策と同時に、愛犬・愛猫の体調管理もお手伝いします。体調に不安がある子でもお気軽にご相談ください。
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症例
犬・猫の夏バテ症状と対処法
暑さが厳しくなる季節は、猫にとっても体調を崩しやすい時期です。
「ぐったりして動かない」「ごはんをほとんど食べない」「嘔吐や下痢が続く」などの症状が1日以上続く場合は、早めに動物病院の受診をおすすめします。
そのうえで、夏に多い猫の体調不良や予防のポイントを解説します。猫に多い“夏特有の体調不良”とは
夏は気温や湿度の変化によって猫の体にさまざまな影響が出やすくなります。いくつかの症状が重なって現れることもあり、日々のちょっとした変化を見逃さないように注意が必要です。
◆ 猫の夏バテ
暑さによるストレスや食欲の低下、水分不足などが重なることで、元気がなくなったり、ごはんを残すようになる「夏バテ」の症状が見られることがあります。
特に高齢の猫や持病のある猫は体調を崩しやすいため、いつも以上に慎重な見守りが大切です。
◆ 脱水症状
気温が高い日が続くと、体内の水分が失われやすくなりますが、猫はもともと水をあまり飲まない傾向があります。そのため、軽度の脱水でも体に大きな負担となることがあり、元気がなくなる・便秘になる・尿が少なくなるなどの症状が見られることがあります。
◆ 皮膚トラブル(湿疹・かゆみ)
湿度が高いと皮膚が蒸れやすくなり、かゆみや赤み、湿疹などのトラブルが増える傾向があります。特に長毛種や毛の密度が高い猫では、皮膚の通気性が悪くなりやすく、トラブルが起こりやすい状態です。
◆ 下痢・嘔吐
暑さによる胃腸の乱れや、ちょっとした食事の変化、ストレスなどがきっかけで、下痢や嘔吐が起こることもあります。原因がはっきりしない体調不良が続く場合には、内臓の病気が隠れていることもあるため、早めの受診を検討しましょう。
◆ 熱中症(室内でも発症あり)
「猫は室内にいるから安心」と思われがちですが、風通しが悪い部屋やエアコンを切った室内では、熱中症を起こすリスクがあります。呼吸が荒くなる、体が熱い、よだれが出るなどの症状がある場合は、すぐに動物病院へご連絡ください。
猫は体調の変化を隠してしまいやすい動物だからこそ、小さなサインに気づいて早めに対応してあげることが、夏を健やかに過ごすための第一歩になります。
夏バテや病気を防ぐための予防対策
夏を元気に乗り切るためには、日々のちょっとした工夫がとても大切です。猫は環境の変化に敏感で、不調を隠す傾向があるため、予防的なケアを意識して行いましょう。
◆ 室温・湿度管理
猫にとって快適な環境を保つためには、室温26〜28℃前後、湿度50〜60%程度を目安に、エアコンや除湿器を上手に活用するのがおすすめです。
ただし、冷やしすぎや風の直当てはかえって負担になることもあります。次のような工夫で、猫が自分で快適な場所を選べるようにしてあげましょう。
・風が直接当たらないスペースをつくる
・冷感マットやタイル、涼しい床を複数用意する
・カーテンで日差しを和らげる工夫をする
猫がリラックスできる場所をいくつか用意しておくことで、暑さからくるストレスも軽減できます。
◆ 水分補給サポート
夏は水分が失われやすく、脱水症状のリスクが高まる季節です。普段からしっかり水分をとれるように、以下のような工夫を取り入れてみてください。
・複数の場所に水飲み場を設置する
・新鮮な水にこまめに交換する
・ウェットフードやスープ仕立てのごはんを取り入れる
・飲みやすい水温(冷たすぎない温度)を調整する
猫の好みに合わせた環境づくりが、水分摂取のサポートにつながります。
◆ 食事の見直し
暑さで食欲が落ちてくると、体力の低下や夏バテの悪化につながることがあります。もし、食べる様子に変化が見られる場合は、以下のような見直しを検討してみましょう。
・粒の大きさや硬さを調整して、食べやすさを改善する
・香りが立ちやすいフードや嗜好性の高いものを取り入れる
・1回の量を少なくし、回数を増やしてこまめに与える
無理に食べさせようとするのではなく、猫のペースを尊重しながら工夫してあげることが大切です。
◆ 被毛のお手入れ
被毛のケアは、皮膚の健康や体温調節のためにも重要です。特に長毛種は、毛玉ができやすく、皮膚トラブルの原因にもなるため、こまめなブラッシングを心がけましょう。
・毛玉や抜け毛を取り除き、通気性を確保する
・ブラッシング中に皮膚の異常にも気づきやすくなる
短毛の猫でも、定期的なブラッシングは快適な夏を過ごす手助けになります。
◆ 寄生虫対策(予防薬の継続)
ノミやダニは、夏場に活発化する寄生虫であり、皮膚炎や感染症のリスクを伴います。外に出ない猫であっても、人の衣類などから室内に入り込むことがあるので注意が必要です。
・ノミ・ダニ予防薬は「夏だけ」でなく通年での継続を
・一見健康に見えても、皮膚トラブルの原因になることもあるため予防が大切
猫の健康を守るために、定期的な予防薬の投与を忘れずに行いましょう。
「いつもと違う」が受診のサイン|相談の目安とは
猫は不調をわかりやすく訴えることが少ないため、飼い主様が日ごろの様子をよく観察しておくことが大切です。「なんとなく元気がない」「水をあまり飲まない」「寝てばかりいる」といった変化も、夏場は重要なサインになることがあります。
以下のような症状が見られた場合は、早めに動物病院へご相談ください。
・食欲の低下が続く
・嘔吐や下痢が1日以上続く
・呼吸が早い、苦しそうに見える
・元気がなく、反応が鈍い
・水を飲む量が極端に減った/増えた
「様子を見るか、病院に連れて行くか迷っている」というときも、お気軽にご相談ください。早めの対処が愛猫の負担を軽減することにつながります。
よくある質問
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Q. 猫が夏バテで食欲が落ちているだけか、病気かどうか見分けられますか?
A. 夏バテは一時的な食欲不振やだるさが中心で、水分摂取や休養で改善することがあります。ただし、嘔吐・下痢・血便・急な体重減少を伴う場合は、胃腸炎や内臓疾患など別の病気の可能性があるため受診が必要です。 -
Q. 「下痢」や「嘔吐」があっても夏バテの範囲ですか?
A. 軽度で半日以内に回復するケースもありますが、繰り返す/1日以上続く/ぐったりして元気がない場合は、脱水や感染症が疑われますので動物病院にご相談ください。 -
Q. 高齢猫や持病のある猫は注意が必要ですか?
A. はい。夏バテが引き金になって腎臓病・心臓病などの症状が悪化することがあります。普段と違う様子があれば早めの受診を。
まとめ
猫は季節の変化に敏感で、特に夏はさまざまな体調不良が起こりやすい時期です。予防のポイントを押さえながら日々の生活を見直すことで、愛猫の健康を守ることができます。
もし「いつもと違う」と感じることがあれば、早めのご相談をおすすめします。姉ヶ崎どうぶつ病院では、猫の繊細な変化にも丁寧に対応し、飼い主様と一緒にその子に合ったケアを考えてまいります。
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症例
サロンとの違いは?動物病院併設トリミングで叶える美容と健康ケア
犬や猫の健康と快適な生活を保つためには、定期的なトリミングが欠かせません。毛並みを整えるだけでなく、皮膚や体の状態を観察する大切な機会にもなります。
しかし「サロンと動物病院のトリミングは何が違うの?」と迷われる飼い主様も少ないのではないでしょうか。
今回は、動物病院併設のトリミングの魅力についてご紹介します。
トリミングが健康に与える3つの効果
トリミングは見た目を整えるだけではなく、犬や猫の健康管理にも直結しています。主な効果は次の3つです。
◆ 毛玉や被毛のもつれ防止
毛玉やもつれは皮膚の通気性を悪くし、蒸れや炎症、皮膚病の原因になることもあります。定期的なブラッシングやカットにより、皮膚トラブルの予防にもつながります。
◆ シャンプーによる皮膚トラブル予防
皮膚に付着した汚れや余分な皮脂を洗い流すことで、細菌や寄生虫によるトラブルを防ぎます。皮膚の健康は、かゆみやフケの軽減にもつながります。
◆ 爪切り・耳掃除・肛門腺絞りで生活を快適に
伸びすぎた爪は歩行に支障をきたしたり、肉球に食い込んでしまうこともあります。また、耳掃除や肛門腺絞りは不快感や感染を防ぎ、犬や猫が快適に過ごせるようにサポートします。
つまり、トリミングは「美容」と同時に「健康維持」に直結する重要な習慣といえるでしょう。
サロンとどう違う?動物病院併設トリミングの安心ポイント
一般的なトリミングサロンは、美容を目的としたサービスが中心です。もちろん丁寧に仕上げてもらえますが、健康チェックや医療的な対応は範囲外のため、持病のある子や高齢の子は断られることもあります。
一方で、動物病院併設のトリミングには、次のような安心できるメリットがあります。
◆ 美容と健康管理を同時に
トリミング中に皮膚や耳、歯、体のしこりなどを確認し、健康上の異常を早期に発見できることがあります。
◆ 獣医師とのスムーズな連携
もし体調不良が見つかった場合も、すぐに診察や処置につなげられるので安心です。
◆ 高齢犬・持病のある子への柔軟な対応
事前に診察を行うことで、年齢や疾患の有無に合わせて無理のない範囲で施術を調整します。
このように、サロンでは難しいケースにも対応できるのが病院併設トリミングの強みです。愛犬や愛猫の美容と健康を同時に守れる、安心して任せられる環境が整っています。
姉ヶ崎どうぶつ病院のトリミング
当院のトリミングは、病院併設ならではの強みを活かし、飼い主様にも安心してご利用いただける体制を整えています。
◆ 獣医師との連携体制
トリマーが施術中に異常を見つけた場合は、必要に応じて獣医師がチェックし対応します。
◆ 年齢や体調に合わせたケア
10歳以上の子も体調を見ながら施術が可能です。(必要に応じて事前診察を行います)
◆ 負担を抑えた施術
体力や体調に合わせて、その子に無理のない方法で進めます。お預かり中に予防接種や検査を同時に行うことも可能です。
◆ 健康チェックの実施
皮膚の状態や耳の様子、体のしこりなど、見落としやすい変化も確認します。
トリミングは、生後3か月齢頃で2回目のワクチンが終わっていれば始められます。
初めてご利用の際には、まず診察で犬や猫の健康状態を確認させていただきます。そのうえで、安心してトリミングを受けていただけるようにしています。
<新規限定!初回トリミング料金20%オフキャンペーン>
姉ヶ崎どうぶつ病院では、現在「初めてご利用の方」に向けてお得なキャンペーンを実施しています。
・実施期間:2025年10月31日(金)まで
・キャンペーン内容:初回トリミング料金 20%オフ(※事前診察が必要となる場合があります)
当院のトリミングは、病院併設ならではの健康チェックやシニア犬・持病のある子への配慮が特長です。「安心して任せられるトリミングを探している」という飼い主様は、ぜひこの機会にお試しください。
▼トリミングキャンペーンについての詳しいご案内はこちらから
まとめ
トリミングは見た目の美しさを保つだけでなく、犬や猫の健康を守る大切な習慣です。特に病院併設のトリミングは、美容と健康管理を同時に行える安心感があります。
姉ヶ崎どうぶつ病院では、年齢や持病の有無にかかわらず、獣医師と連携しながら一頭一頭に合わせたケアを行っています。初めての方もどうぞお気軽にご相談ください。
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症例
犬の膵炎|原因・症状・食事管理まで獣医師が詳しく解説
愛犬がいつもと違ってぐったりしていたり、急に吐いたりすると、何が起きているのかと心配になりますよね。
犬に発症しやすい病気のひとつに「膵炎(すいえん)」があります。重症化すると命に関わることもあるため、正しい知識を持ち、できるだけ早く気づいてあげることが大切です。
今回は、犬の膵炎について原因や症状、治療の流れや食事管理のポイントを獣医師の視点から解説します。
膵炎とは?犬の膵臓の役割と病気の仕組み
膵臓はお腹の奥にある臓器で、次の2つの大切な役割を担っています。
・消化酵素を出して食べ物の分解を助ける
・インスリンなどのホルモンを分泌し、血糖値をコントロールする
膵炎とは、この膵臓が炎症を起こし、自らの消化酵素によって膵臓や周囲の組織が傷ついてしまう病気です。
<膵炎の種類>
膵炎には大きく分けて 「急性膵炎」 と 「慢性膵炎」 があります。
◆ 急性膵炎
ある日突然発症し、激しい嘔吐や強い腹痛が見られるのが特徴です。短時間で重症化することもあり、命に関わるケースもあるため、迅速な治療が欠かせません。
◆ 慢性膵炎
急性のような激しい症状は出にくいものの、食欲不振や消化不良が長期間続きます。膵臓の働きが少しずつ低下し、進行すると糖尿病や消化吸収不良といった合併症につながることもあります。長く付き合っていく病気だからこそ、継続的な管理が重要です。
主な原因と症状
犬の膵炎は「いつもと違う様子」に気づくところから始まることが多い病気です。最初は軽い体調不良のように見えても、実際には体の中で炎症が進んでいることもあるため、早めに気づいてあげることが大切です。
<犬の膵炎の原因>
膵炎の原因は一つではなく、複数の要因が関係します。代表的なものは以下の通りです。
・高脂肪の食事や、人の食べ物・おやつを急にたくさん食べた
・肥満や高脂血症
・他の病気(糖尿病、クッシング症候群、肝疾患など)
・一部の薬の副作用
・外傷や手術後の合併症
原因が特定できない「特発性膵炎」と呼ばれるタイプも多く見られます。
<犬の膵炎の症状>
膵炎になると、次のような症状が見られることがあります。
・嘔吐や下痢
・食欲不振
・元気がなくなる
・お腹の痛み(背中を丸める姿勢をとる、触られるのを嫌がるなど)
・発熱
急性膵炎はわずかな時間で重症化することがあります。「少しおかしいかな?」と感じたら、できるだけ早く動物病院へご相談ください。
診断と治療の流れ
膵炎は外から見ただけでは判断できません。いくつかの検査を組み合わせて、初めて正確な診断が可能になります。適切な検査を受けることが、その後の治療方針を決める大切なステップです。
<主な検査の内容>
膵炎の診断では、次のような検査を組み合わせて総合的に判断します。
・血液検査:炎症の有無や膵臓の酵素の数値を確認
・エコー検査:膵臓の腫れや臓器の状態をリアルタイムで観察
・レントゲン検査:他の病気を除外する目的で実施
<治療の進め方>
膵炎の治療は「急性」と「慢性」で異なります。
◆ 急性膵炎
命に関わることもあるため、入院での管理が必要になる場合があります。点滴で水分や電解質を補い、膵臓を休ませるための絶食、さらに痛み止めや吐き気止めを組み合わせて状態を安定させていきます。
◆ 慢性膵炎
食事の調整や定期的な検査で、症状をコントロールしていきます。自己判断でフードを変えたり薬を中止することは症状の悪化につながるため、必ず獣医師の指導のもとで管理しましょう。
膵炎と食事管理・予防のポイント
膵炎は再発することも少なくありません。だからこそ、ご家庭での食事管理や生活習慣の工夫がとても重要です。
<食事管理の基本>
急性膵炎から回復した直後は、低脂肪で消化しやすい食事を与えることが基本です。油分の多いフードやおやつは避け、特に人の食べ物は膵臓への大きな負担となるため与えないようにしましょう。
<療法食の活用>
膵炎に配慮した療法食は、栄養バランスが調整されており、再発予防に有効です。長期的に安心して続けられるため、かかりつけの獣医師と相談しながら導入していきましょう。
<体重管理と生活習慣>
肥満は膵臓に大きな負担をかけます。適正体重を維持できるよう、運動量や食事量を見直すことも予防につながります。
<定期的な検査で安心を>
膵炎は再発しても初期には症状が目立たないことがあります。定期的な血液検査やエコー検査を受けることで、早期発見・早期対応が可能になります。
日々の食事や体調管理を少しずつ積み重ねることが、膵炎の再発を防ぎ、愛犬・愛猫が健やかに過ごすための大きな支えとなります。
まとめ
膵炎は犬や猫にとって決して珍しくない病気ですが、早期に気づき、適切な検査と治療を受けることで改善が見込めます。特に食事管理や生活習慣の工夫は、ご家庭でできる大切なケアのひとつです。
「少し元気がない」「吐くことが増えた」といったちょっとした変化が膵炎のサインであることもあります。気になる症状が見られたときは、お早めにご相談ください。
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犬や猫のスケーリングって必要?歯石・口臭・歯周病を防ぐために知っておきたいこと
「口が臭う気がする」「歯が黄ばんでいる」「歯磨きを嫌がるようになった」
愛犬や愛猫のこうしたお口のトラブルに悩まれている飼い主様も少なくないのではないでしょうか。
その原因の多くは“歯石”や“歯周病”によるものです。歯周病の予防や進行を抑えるためには、日常のケアに加えて「スケーリング(歯石除去)」という処置が有効な場合があります。
今回は、犬や猫のスケーリングについて、必要性や処置の内容、実施の目安などを詳しく解説します。
歯石はどうしてつくの?歯周病の進行とリスク
犬や猫のお口の健康を守るためには、まず「歯石がどのようにしてできるのか」を知っておくことが大切です。ここでは、歯石ができるまでの流れと、放置した場合に起こりうるリスクについてご説明します。
・歯垢(プラーク):食べかすや細菌が歯の表面にたまったもの
・歯石:歯垢が時間とともに石のように硬くなった状態(数日で形成)
・歯周病:歯石の中で増殖した細菌が、歯ぐきや歯を支える骨にダメージを与える状態
歯垢のうちに落とせれば、歯磨きなどのケアで対応できますが、一度歯石になってしまうと自宅で取り除くことはできません。放置すると、炎症が進行し、歯ぐきが腫れたり、歯がぐらついたり、さらには抜けてしまうこともあります。
また、歯周病が悪化すると口臭や痛みだけでなく、心臓・腎臓など他の臓器に影響を及ぼすおそれもあるため、注意が必要です。
▼犬・猫の歯周のについてはこちらで詳しく解説しています
スケーリングとは?歯石を取るための処置内容と流れ
スケーリングとは、歯にこびりついた歯石を専用の機器で除去する処置のことをいいます。歯周病の進行を防ぎ、口腔内を健康な状態に近づけるために行います。
◆ 全身麻酔下での処置が基本
スケーリングは歯の裏側や歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)まで丁寧に行う必要があるため、基本的には全身麻酔下で実施します。
「麻酔が心配…」という飼い主様もいらっしゃいますが、動いてしまうと処置中に口の中を傷つけてしまうおそれがあるため、安全性を考えても麻酔下での実施が望ましいとされています。
◆ スケーリングの流れ
1.術前検査
血液検査などを行い、全身麻酔に耐えられる健康状態かどうかを確認します。
2.麻酔導入
体調に配慮しながら、全身麻酔をかけていきます。
3.スケーリング処置
専用の器具を使って、歯にこびりついた歯石を丁寧に除去します。
4.必要に応じた処置
歯がぐらついている場合は、抜歯などの処置を行うこともあります。
5.ポリッシング(研磨)
歯の表面を磨き、再び歯石や汚れがつきにくくなるように仕上げます。
処置後は、麻酔からの覚醒や食事の様子を確認し、状態が安定してからご帰宅いただきます。
スケーリングはした方がいい?必要なケースと判断のポイント
スケーリングはすべての犬・猫に必要というわけではありませんが、歯石がすでに付着している場合や、口臭・出血・ぐらつきがある場合は実施を検討した方がよいケースです。
以下のようなサインが見られる場合は、一度動物病院でのチェックをおすすめします。
・口臭が強くなった
・歯の黄ばみや茶色い汚れが目立つ
・歯ぐきが赤く腫れている
・食べにくそうにしている
・歯を触られるのを嫌がる
<予防のためのチェックも大切>
歯石がついていなくても、定期的にお口の中をチェックする習慣をつけることが大切です。早期に異常を発見できれば、処置の負担も軽く済みます。
「歯磨きの仕方がわからない」「嫌がってできない」など、お困りの際もぜひご相談ください。
<7〜8月限定!スケーリングキャンペーン実施中!>
姉ヶ崎どうぶつ病院では、現在、以下の内容で「スケーリングキャンペーン」を実施しています。
・実施期間: 2025年7月1日〜8月31日
・キャンペーン内容: 犬・猫のスケーリング費用 20%オフ(※術前検査費用は対象外)
歯石除去を検討されている飼い主様は、ぜひこの機会をご活用いただければと思います。ご希望の方は、どうぞお早めにお問い合わせください。
▼スケーリングキャンペーンについての詳しいご案内はこちらから
まとめ
歯石や歯周病は、見えにくく気づきにくいものですが、実は犬や猫の健康に大きな影響を及ぼすことがあります。スケーリングは、そうしたお口のトラブルを防ぐための大切なケアのひとつです。
「口が少しにおう気がする」「歯の色が変わってきたかも?」
そんなちょっとした気づきが、早めのケアにつながります。愛犬・愛猫がずっと元気に過ごせるように、お口の健康も注意深く見守ってあげましょう。
気になることがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
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雨の日も楽しく運動不足対策!室内犬のストレス解消アイディア
梅雨の時期になると、お散歩に行けない日が増え、愛犬のストレスが気になるという飼い主様も多いのではないでしょうか。
外で思いきり体を動かすことができない日が続くと、運動不足だけでなく、心のバランスにも影響が出ることがあります。「最近いたずらが増えた」「落ち着きがなくなった気がする」といった変化がみられるときは、愛犬がストレスを感じているサインかもしれません。
今回は、雨の日でも愛犬が楽しく過ごせるよう、自宅で実践できるストレス解消アイディアをご紹介します。
その行動、ストレスかも?運動不足がもたらす体と心の変化
室内で生活している犬にとって「運動」は心身の健康に欠かせない要素です。
本来、犬は散歩を通して探検したり、においを嗅いだり、人や動物と関わったりしながら、本能的な欲求を満たしています。
しかし、天候不良などで刺激の少ない日が続くと、心と体のバランスが崩れやすくなり、知らず知らずのうちにストレスがたまってしまいます。
<室内犬が抱えやすいストレスの原因>
・運動不足
・外の刺激がない環境
・日常の単調さ
・コミュニケーション不足
こうした要素が重なると、さまざまなストレスサインとして行動に表れることがあります。
<よくみられるストレスサイン>
・破壊行動:おもちゃをかじり続ける、家具を壊す
・落ち着きのない行動:吠え続ける、そわそわと動き回る
・過剰なグルーミング:前足をなめ続ける、体をかきむしる
・反復的な動き:しっぽを追いかける
・体調の変化:食欲不振、下痢など
このようなサインがみられた場合は「雨の日だから仕方ない」と済ませず、少しでもリフレッシュできる環境づくりを心がけてあげましょう。
おうちでできる!室内でのストレス&運動不足解消法
雨の日でも、ちょっとした工夫で愛犬と楽しく過ごすことができます。ここでは、室内で手軽にできる運動や遊びのアイディアをご紹介します。
◆ 室内でもできる軽い運動
体を動かすことでエネルギーを発散し、問題行動の予防にもつながります。
・「持ってきて」遊び
ボールやおもちゃを軽く投げて「もってきて!」と声をかけましょう。持ってきたらしっかり褒めて、楽しさと達成感をプラス。
・タオルで作るミニ障害物レース
丸めたタオルやクッションで簡単なコースをつくり、またがせたりくぐらせたり。体と頭を同時に使う、良い刺激になります。
・軽い引っ張りっこ
ロープやぬいぐるみを使って遊びます。「スタート」「おしまい」の合図を決めておくと、興奮しすぎず遊べます。
・かくれんぼ遊び
飼い主様が隠れて名前を呼び、探してもらう遊びです。遊びながら絆が深まり、見つけたときの喜びが自信にもつながります。
◆ 知育トイで「頭の運動」
頭を使った遊びは、退屈やストレスの解消に効果的です。
STEP① フードやおやつを少量準備
STEP② コングやおやつボールなどにセット
STEP③ 鼻や前足で工夫する様子を見守り、時々声をかけて応援しましょう
◆ トリック練習で集中力アップ
指示に集中することで気持ちが落ち着き、1日のメリハリづくりにも役立ちます。
STEP①「おすわり」「ふせ」「くるん」など基本的なトリックを選ぶ
STEP② 成功したらすぐにご褒美を
ご褒美は、おやつだけでなく、ほめ言葉やスキンシップでもOKです。ご褒美が毎回おやつだとカロリー過多になることもあるため、愛犬が喜ぶ方法をうまく取り入れましょう。
楽しみながら「できた!」を重ねることで、落ち着きや自信が育ちます。
◆ スキンシップ&マッサージで安心感を
体を動かしたあとは、ゆったりとした時間も大切です。
やさしく撫でたり、顔まわりや背中、肩などをマッサージしてあげましょう。
飼い主様のぬくもりは、愛犬にとって大きな安心材料です。特に雨音や気圧の変化で不安定になりやすい日は、スキンシップが心の安定にもつながります。
<ワンポイントアドバイス>
子犬や高齢犬、小型犬は体力に限界があります。
運動量や刺激は、その子に合ったペースで調整してあげましょう。
症状が続くときは要注意|病気や行動の専門的サポートも
室内での工夫をしても、なかなか元気が戻らない、行動が普段と違う…そんなときは「ストレス以外の原因」が隠れていることも考えられます。
一見ストレスのように思える行動でも、以下のような身体の不調が関係しているケースも少なくありません。
・甲状腺機能の異常:元気がない、寝てばかりいる
・関節疾患:動きたがらない、攻撃的になる
・消化器の不調:食欲不振、嘔吐や下痢が続く など
▼消化器の不調についてはこちらで詳しく解説しています
体調と行動の変化は密接に関係しているため「様子を見ているうちに悪化してしまった」というケースもあり、注意が必要です。「雨のせいかな」「そのうち治るかも」と見過ごさず、小さな変化でも気になることがあれば、早めの受診をおすすめします。
<行動面が気になる場合は専門家に相談を>
次のような問題行動が続く場合は、獣医師やドッグトレーナーのサポートを受けるのも一つの方法です。
・家具を壊す、トイレの失敗が続く
・吠えやすくなった、要求が増えた
・落ち着きがなく、指示が通らない
行動診療を取り入れている動物病院や、しつけ・環境の見直しを支援する専門家に相談することで、飼い主様と愛犬の双方が安心して過ごせる環境づくりにつながります。
まとめ
梅雨や雨の日が続くと、愛犬にとってもストレスがたまりやすくなります。運動不足や刺激の少なさによって心と体のバランスが崩れ、行動や体調に変化が出ることも珍しくありません。
そんなときこそ、日常のなかでできる工夫が大切です。知育トイや室内遊び、トリック練習、スキンシップなどを取り入れることで、愛犬が楽しくリフレッシュできる時間をつくってあげましょう。
一方で、ストレスのように見える症状のなかには、体の不調や病気が隠れていることもあります。気になる行動が続くときや、普段と様子が違うと感じたときには、早めに動物病院へご相談ください。
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症例
犬の夏バテ対策ガイド|予防法と症状が出たときの正しい対処法
夏の暑さは、犬にとっても大きな負担になります。特に高温多湿な日本の夏は、体温調節が苦手な犬にとって過酷な季節です。
暑さが続くと、体力の消耗や体調の変化が少しずつ表れてくることもあります。深刻な体調不良につながる前に、早めの対策を講じることが大切です。
今回は、夏バテを防ぐための日常の工夫と、症状が出たときに飼い主様ができる対処法について、獣医師の視点から詳しく解説します。
その不調、夏バテかも?犬に見られるサインと注意点
犬の夏バテとは、暑さや湿度によって体に負担がかかり、食欲や元気が少しずつ落ちていく状態を指します。明確な医学用語ではありませんが、人と同じように夏の暑さで体調を崩すことがあり、放っておくと深刻な不調につながることもあります。
特に短頭種(フレンチ・ブルドッグ、パグなど)や高齢犬、肥満の犬、持病がある犬は、夏バテや熱中症のリスクが高いため注意が必要です。
<夏バテの主な症状>
・食欲の低下
・活動量の減少、寝てばかりいる
・元気がなくなる
・下痢や軟便、嘔吐
・呼吸が荒くなる、パンティングが増える
夏バテは熱中症と違い緊急性を要するものではありませんが、徐々に体調に変化が生じます。日々の様子を観察し、いつもと違うサインに早めに気づいてあげましょう。
今日からできる!犬の夏バテ予防法
夏バテを防ぐためには、毎日の生活環境や習慣の見直しがとても大切です。ここでは、すぐに始められる4つの対策をご紹介します。
◆ 室温・湿度を快適に整える
犬は人より暑さに弱く、自力で体温を下げるのが得意ではありません。エアコンや扇風機を上手に使い、快適な環境を保ちましょう。
・エアコンは日中・夜間ともに使用する(26〜28℃が目安。暑さに弱い犬はやや低めに)
・直射日光を避けられるように、カーテンや家具の配置を見直す
・扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
犬が自分で涼しい場所を選べるよう、複数の居場所を用意しておくのもおすすめです。
◆ 水分補給の工夫
暑さによる脱水は、夏バテや熱中症の引き金になります。水を飲む量が少ない子には、次のような工夫をしてみましょう。
・水皿を複数の場所に設置する
・自動給水器を使うと飲む量が増える場合も
・ウェットフードやスープ、ゼリー状のおやつを取り入れる
・ペット用の経口補水液を活用する
飲む量が減っていると感じたときは、早めの対策が重要です。「飲める環境」だけでなく「飲みたくなる工夫」も大切です。
◆ 食事を無理なく続けられる工夫を
食欲の低下は夏バテの初期サインのひとつです。無理に食べさせようとせず、愛犬のペースに合わせた調整を心がけましょう。
・朝晩の涼しい時間帯に与える
・香りが立つフードを選ぶ(温めると嗅覚が刺激されやすくなります)
・野菜やささみなどを少量トッピングして食欲を引き出す
※トッピングはあくまで一時的な対応とし、主食の栄養バランスを崩さないようにしましょう。
◆ 散歩や運動の時間を見直す
真夏の日中の散歩は犬にとって負担が大きく、熱中症や肉球のやけどのリスクもあります。散歩の時間帯と内容を見直し、安全に体を動かせるようにしましょう。
・早朝または日没後など、気温が下がった時間帯に行く
・アスファルトの熱さを手で確認してから出発
・散歩の代わりに室内でのおもちゃ遊びやトリック練習も◎
「短時間でも毎日少しずつ動く」ことが、体力維持には効果的です。
このように、犬の夏バテは「暑い日に気をつければいい」だけではなく、日々の小さな工夫の積み重ねが、元気に夏を過ごすカギとなります。
それでも夏バテしてしまったら?症状別の対処法
どんなに気をつけていても体力や食欲が落ちてしまうことはあります。特に夏は、犬にとって体温調節が難しく、少しの体調の変化でもぐったりしてしまうことも珍しくありません。ここでは、軽度の夏バテに気づいたときに飼い主様ができるサポート方法をご紹介します。
◆ 静かで落ち着ける環境を整える
体調が優れないときは、過度な刺激もストレスの原因になります。家族の出入りが少ない静かな部屋や、風通しのよい場所でゆっくり過ごせるようにしてあげましょう。
◆ 体を冷やす工夫を取り入れる
鼻先やパンティングが続いたり耳が熱くなっているときは、体温が上がっているサインかもしれません。濡らしたタオルで体をやさしく拭いたり、保冷剤をタオルで包んで首元や内股に当てるなど、無理のない範囲で体を冷やす方法を取り入れてみてください。
◆ 食事は少量ずつ、回数を分けて与える
一度にたくさん食べられないときは、食事を1日3~4回に分けることで消化の負担を減らし、少しずつエネルギーを補給できます。
◆ 散歩や遊びよりも「しっかり休む」ことを優先
夏バテ気味のときは、軽い運動でも体に負担をかけることがあります。散歩は控えめにし、体調が回復するまでは安静に過ごすように心がけましょう。
<すぐに動物病院へ相談すべきサイン>
以下のような症状が見られる場合は、軽度の夏バテではなく、脱水症状や内臓疾患、熱中症などの命にかかわる緊急性の高い状態が疑われます。
・水や食事をまったく受け付けない
・嘔吐や下痢が繰り返し続いている
・体が熱い、あるいは冷たい
・呼吸が早く、苦しそうな様子がある
・舌や歯ぐきが白っぽい、青紫色になっている
・ぼんやりしていて、目に力がない
・横になったまま動こうとしない
どれかひとつでも当てはまる場合には「様子を見る」のではなく、できるだけ早く動物病院を受診してください。
まとめ
夏の暑さは、犬の体にとって大きな負担となります。体調の変化がゆるやかに進む夏バテは、気づいたときには食欲や元気が大きく落ちていることも少なくありません。
日々の生活の中でできる工夫をこまめに取り入れつつ、それでも様子が変わらない場合や「いつもと違うな」と感じたときには、早めに動物病院へご相談ください。
ちょっとした変化に気づいてあげることが、愛犬の健康を守る第一歩です。無理なくできることを続けながら、夏を元気に乗り切っていきましょう。
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症例
犬の皮膚トラブルは梅雨が原因?|自宅でできる予防とケア
じめじめとした空気が続く梅雨の季節。
この時期になると、「なんだか最近よく掻いている」「皮膚が赤くなってきたかも」といったご相談が増えてきます。
高温多湿な環境は犬の皮膚にとって大きな負担となり、皮膚トラブルのリスクを高めます。気づかないうちに症状が進行してしまうこともあるため、日頃からのケアと予防がとても大切です。
今回は、梅雨時期に増えやすい犬の皮膚トラブルについて、家庭でできる予防ケアや生活環境の整え方を解説します。
梅雨時期に犬の皮膚病が増える理由
梅雨の時期は湿度が高く、蒸し暑い日が続きます。このような高温多湿の環境は、犬にとって過ごしにくく、皮膚トラブルが起こりやすくなる原因のひとつです。
特に、脇の下や股、耳の後ろ、首まわりといった湿気がこもりやすい部位では、皮膚のバリア機能が低下し、細菌やマラセチア(カビの一種)が繁殖しやすくなるため、皮膚炎などの症状を引き起こすリスクが高まります。
実際に当院でも、梅雨の時期になると皮膚に関するご相談が増加します。
かゆみや赤みといった軽い症状にとどまらず、膿が出ていたり、広い範囲で毛が抜けたりするケースも見られます。
代表的な皮膚病としては、以下のようなものが挙げられます。
・皮膚真菌症(マラセチア性皮膚炎など)
・細菌性皮膚炎
・膿皮症
これらの皮膚病は放置すると悪化しやすく、再発もしやすいため、早めの対処と継続的な予防が大切です。
梅雨時期に注意したい犬の皮膚病の症状と見分け方
飼い主様がご自宅で気づきやすい初期症状としては、以下のようなものがあります。
・体を頻繁に掻く、舐める、噛む
・皮膚が赤くなっている、あるいは腫れている
・特定の部位に脱毛が見られる
・フケが増える
・皮膚がベタつく、においが強くなる
・かさぶたができている、またはジュクジュクした部分がある
これらの症状は皮膚病の初期段階で見られることが多く、放置すると悪化する可能性があります。
特に、短期間で急激に症状が悪化している場合や、触れられるのを嫌がるなど痛がる様子が見られる場合は、速やかに動物病院を受診してください。
また、犬種によってはもともと皮膚トラブルを起こしやすい傾向があり、梅雨時期は特に注意が必要です。代表的な犬種には以下のようなタイプがあります。
・ポメラニアンやゴールデンレトリバーなどの長毛種
・パグやブルドッグなど皮膚にしわが多い犬種
・アレルギー体質の犬
このような犬種は、皮膚が蒸れやすく、細菌や真菌が繁殖しやすい環境になりやすいため、日頃から丁寧なケアが欠かせません。
梅雨時期の皮膚病予防
梅雨の時期に皮膚トラブルを防ぐためには、日常的なケアが非常に重要です。次のようなケアを意識して取り入れましょう。
◆散歩後のケア
雨の日の散歩後は、足先だけでなく、お腹や股、脇の下などの見落としがちな部分もタオルでしっかり拭き取りましょう。湿った状態が続くと雑菌が繁殖しやすくなり、皮膚トラブルの原因になります。
◆ブラッシング
ブラッシングは、被毛の通気性を保つうえで大切なケアです。さらに、皮膚の異常にも早く気づくことができるため、毎日の習慣として取り入れるのがおすすめです。
◆シャンプー
適切なシャンプーの頻度は犬種や皮膚の状態によって異なりますが、梅雨時期は特に汚れが付きやすいため、2〜3週間に1回を目安に行うとよいでしょう。皮膚の乾燥を防ぐために、低刺激で保湿効果のあるシャンプーを選ぶことが大切です。
※シャンプーの頻度については、かかりつけの動物病院でご相談ください。
◆獣医師推奨のケア用品を使用する
当院では、皮膚トラブルの予防として、薬用シャンプーや保湿スプレーの使用を推奨しています。製品によって成分や効果が異なるため、愛犬の状態に合ったものを選ぶことが重要です。気になる場合は、お気軽にご相談ください。
室内環境の整え方
皮膚病を予防するためには、体のケアだけでなく、生活環境を清潔に保つことも非常に重要です。特に梅雨の時期は、湿気によるカビやダニの繁殖が起こりやすくなるため、以下の点に注意して室内環境を整えましょう。
◆湿度管理
快適に過ごすためには、湿度の調整もとても大切です。
特に梅雨や夏場は湿度が高くなりがちですので、除湿器やエアコンの除湿機能を活用し、室内の湿度を40〜50%程度に保つように心がけましょう。
◆寝床やマットの管理
布製のベッドやマットは湿気がこもりやすく、雑菌やダニの温床となることがあります。通気性の良い素材を選ぶとともに、カバー類はこまめに洗濯・乾燥を行い、清潔な状態を保つようにしましょう。
◆清掃と換気
室内を清潔に保つことは、皮膚病を防ぐための基本です。
床は拭き掃除を取り入れて清潔を保ち、掃除機や空気清浄機を使用する際は、HEPAフィルター付きの製品を選ぶと、より効果的にハウスダストやアレルゲンを取り除くことができます。合わせて、定期的な換気も忘れずに行いましょう。
食事とサプリメントによる皮膚の健康維持
皮膚の健康を保つためには、外側からのケアだけでなく、体の内側からのサポートも非常に大切です。特に、湿度が高く皮膚のバリア機能が乱れやすい梅雨の時期には、日頃の食生活が皮膚の状態に大きく影響します。
まず注目したいのが、「オメガ3脂肪酸」「ビタミンE」「亜鉛」といった栄養素です。これらは皮膚や被毛の健康維持に欠かせない成分であり、日々の食事を通してしっかり摂取することが推奨されます。中でもオメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、皮膚の赤みやかゆみを和らげる働きが期待できます。
当院では、こうした栄養素を効率よく補える皮膚サポート用のサプリメントをご案内しています。たとえば、皮膚にやさしい設計のオメガ脂肪酸配合サプリメントや、消化吸収に優れた低アレルゲン処方のフード・おやつなどを、愛犬の体質や症状に合わせてご提案しております。
また、見落とされやすいポイントとして、食事アレルギーが皮膚トラブルの原因となる場合もあります。特に、新しいフードに切り替えた直後から皮膚の赤みやかゆみ、脱毛などの症状が見られた場合は、食物アレルギーが関係している可能性があります。
そのような場合には、アレルギーに配慮した療法食への切り替えや、必要に応じて食物アレルギー検査を行うことで、原因を明確にし、適切な対応につなげていくことが大切です。
治療法
万が一、皮膚病を発症してしまった場合でも、適切な治療を行うことで多くのケースで改善が期待できます。
治療方法は皮膚の状態や原因によって異なりますが、主に以下のような手段が用いられます。
◆薬浴
薬用シャンプーを使って皮膚を洗浄し、皮膚表面の汚れや余分な皮脂を取り除きます。皮膚を清潔に保つことで、治療効果を高めることが期待できます。
◆飲み薬・塗り薬
抗生物質や抗真菌薬を用いて原因となる細菌や真菌(カビ)の増殖を抑えます。さらに、抗炎症薬や外用薬、保湿剤などを症状に応じて組み合わせて使用します。
<治療期間>
症状の程度によって異なりますが、一般的には数週間から1ヶ月程度が目安となります。ただし、皮膚病の治療は改善が見られてもすぐに中断せず、獣医師の指示に従い、完治まで根気強く続けることが非常に大切です。
なお、皮膚病は再発しやすい傾向があるため、治療後も日常的な予防ケアや定期的な健康チェックを欠かさないようにしましょう。
まとめ
梅雨は高温多湿の環境により、皮膚トラブルが起こりやすい季節です。細菌やカビの繁殖を防ぐためには、早めの対策が欠かせません。
日々のスキンチェックや湿度管理、正しいケアを続けることで、多くのトラブルを防ぐことができます。
当院では、皮膚病の診察・検査はもちろん、日常ケアやサプリメント選びのご相談にも対応しております。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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症例
夏の危険症状「犬の水中毒」を防ぐ!|安全な水遊びと正しい水分補給法
水遊びは夏の楽しみのひとつ。川や海、プールで愛犬と涼を楽しむ光景も多く見られます。
ところが、楽しいはずのその時間が、体調不良の引き金になることがあるのをご存じでしょうか? その代表例が「水中毒」と呼ばれる症状です。
水分補給は大切ですが、摂りすぎると命に関わることもあります。
一方で、水分が足りないと「脱水」につながり、体温調節がうまくいかず、熱中症のリスクが高まります。
つまり、「水分が足りなくても危険」「摂りすぎても危険」。このバランスをうまく保つことが、夏の健康管理では非常に重要です。
この記事では、あまり知られていない「犬の水中毒」について詳しく解説するとともに、正しい水分補給の方法や、安全に水遊びを楽しむための工夫についてご紹介します。
犬の水中毒とは?
水中毒とは、短時間に大量の水を摂取することで体内の電解質バランス(特に血液中のナトリウム濃度)が大きく低下した状態を指します。
その結果、細胞の中に水分が過剰に取り込まれ、特に脳の細胞に影響が及ぶと、神経症状や命に関わる合併症を引き起こすことがあります。
この症状は、プールや川、海などで長時間遊ぶ中で、犬が無意識に水を飲み込み続けてしまうことや、暑さによって水をがぶ飲みしてしまうことなどが原因となります。
特に、ホースの水を追いかけるような遊びが好きな犬や、興奮しやすい若い犬では、リスクが高くなる傾向があります。
水中毒は見た目で判断しづらく、初期症状が軽い違和感程度にとどまることもあるため、飼い主様が小さな変化に気づくことが、予防や早期対応の鍵になります。
また、水中毒は熱中症とは異なる症状です。
熱中症は体温の上昇や脱水が主な原因であるのに対し、水中毒は水を摂りすぎることで体内の塩分濃度が薄まることが原因となります。
▼熱中症についてはこちらで詳しく解説しています
水中毒の主な症状と発症するケース
水中毒の初期には、以下のような症状が見られることがあります。
・よだれが増える
・歩き方がふらつく
・嘔吐
・無気力でぼんやりとした表情になる
・呼びかけに対する反応が鈍くなる
これらの症状が進行すると、以下のような重い症状へと発展することがあります。
・筋肉のけいれん
・意識がもうろうとする
・昏睡状態になる
いずれも、命に関わる危険な状態です。
<発症しやすい場面>
発症しやすい場面としては、以下のようなケースが挙げられます。
・炎天下で長時間、水辺(川・海・プール)で遊ぶ
・水中に投げたおもちゃやボールを繰り返し回収させる
・ホースの水やスプリンクラーの水を勢いよく飲む
・暑さ対策として、水を過剰に飲ませてしまう
これらはいずれも「楽しい時間」の中で起こりやすく、まさか危険が潜んでいるとは思いにくい点が、水中毒の怖さでもあります。
水中毒を予防するための対策
水中毒を防ぐためには、日頃の工夫や遊び方の見直しが大切です。以下のような対策を意識しましょう。
◆遊びの時間を区切る
水遊びは1回あたり30分を目安にし、こまめに休憩を取りましょう。
◆水を飲む量をコントロールする
遊びの合間に意識的に休憩を挟み、落ち着いた状態で水を飲ませるようにしましょう。無意識に大量の水を飲んでしまうのを防げます。
◆陸上での遊びも取り入れる
いつも水遊びばかりにならないように、陸上での遊びや知育トイなど、頭を使う遊びも取り入れるとよいでしょう。
◆安全な遊び場所を選ぶ
水の深さが浅く、流れが緩やかな場所を選び、飼い主様が常に見守れる環境で遊ばせましょう。
◆普段から飲み方を見直す
水をがぶ飲みしやすい犬には、少量ずつゆっくり飲む練習を日頃から行っておくと、急激な水の摂取を防ぐことにつながります。
犬の体に必要な水分量と与え方
水分補給は、水中毒を防ぐためにも重要なポイントです。水の摂りすぎを避けながら、適切な水分をしっかりと補うことが、健康管理の基本となります。
以下のポイントを意識しましょう。
◆1日に必要な水分量の目安
一般的には、体重1kgあたり約50〜60mlが目安です。たとえば、体重10kgの犬であれば、1日あたり約500〜600mlの水分が必要とされます。
◆季節や活動量による調整
夏場や運動量が多い日には、通常より1.2〜1.5倍程度の水分が必要になることもあります。愛犬の様子を見ながら、飲水量を少しずつ調整していきましょう。
◆水を与えるタイミングを工夫する
朝の散歩前後、食後、寝る前など、決まった時間にこまめな水分補給を習慣化すると、飲みすぎや飲み忘れを防ぐことができます。
◆補助的な水分補給方法を活用する
水分が不足しがちなときは、ウェットフード、犬用経口補水液、ゼリー飲料などを取り入れるのも効果的です。愛犬の好みや体調に合わせて活用しましょう。
◆水の管理を徹底する
水は常に清潔な状態で用意しましょう。ボウルは毎日洗い、複数の場所に設置することで、自然と水を飲む機会が増えます。
こんなときはすぐ受診を!対処のポイントと判断基準
「なんとなく様子がおかしいかも?」と感じたときは、迷わず早めに対応することが大切です。以下のような対処を行い、すぐに動物病院にご連絡ください。
<すぐに受診が必要なサイン>
以下のような症状が見られた場合は、一刻も早く動物病院を受診してください。
✅けいれんを起こしている
✅意識がもうろうとしている
✅呼吸が荒く苦しそう
✅呼びかけに反応しない
<応急処置>
まずは水を飲むのを中止させ、安静に保ちます。
体が濡れている場合はタオルなどでしっかり拭き取り、体温が下がりすぎないように注意しましょう。
<症状の観察と記録>
ふらつき・嘔吐・けいれんなどの症状が出ていないかを落ち着いて確認しましょう。
動物病院での診察をスムーズに進めるために、以下のような情報をできるだけ詳しくメモしておくと安心です。
・水遊びをした時間や場所、遊びの内容
・飲んだ水の量やタイミング
・気づいた症状とその経過
・これまでの体調や持病の有無
小さな情報でも、獣医師にとっては重要な手がかりになります。思い出せる範囲で記録しておきましょう。
まとめ
季節を問わず、水分管理は愛犬の健康を守るうえでとても大切ですが、水の摂り方や量を間違えると、命に関わる事態を招くこともあります。
特に夏は「水中毒」と「脱水症状」という、相反するリスクの両方に注意が必要です。
「水分は多すぎても、少なすぎてもいけない」ということを、ぜひ心に留めておいてください。
愛犬の体調の変化にいち早く気づけるのは、いつもそばにいる飼い主様だけです。
「なんとなくいつもと違うかも」と感じたときには、迷わず早めに動物病院にご相談ください。
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症例
犬と猫の熱中症を防ぐ|家庭でできる温度管理と応急処置のポイント
近年の日本の夏はもはや「猛暑」を通り越して、「命に関わる危険な暑さ」と言われるようになっています。
人にとってさえ厳しいこの暑さは、犬や猫にとってさらに過酷な環境です。
電気代を気にしてエアコンを止めてしまったり、「自分で涼しい場所へ移動できるから大丈夫」と油断してしまったりすることで、わずか数時間のうちに熱中症になり、命の危険が生じることもあります。
そこで今回は、犬や猫が熱中症になりやすい理由と、室温を適切に保つことでリスクをどのように減らせるのかについてご紹介します。
なぜ犬や猫は熱中症になりやすいの?
犬や猫は、人のように汗をかいて体温を下げることができません。
人は全身の汗腺から汗を出し、気化熱によって体を冷やすことができますが、犬の汗腺は足の裏に限られており、主に「ハァハァ」と口で息をする(パンティング)ことで体温調整を行っています。
ただし、このパンティングには限界があり、気温や湿度が高い環境では熱をうまく逃がすことができず、体温が急激に上がってしまいます。
特に、以下のような犬や猫は熱中症のリスクが高くなります。
・短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、シーズーなど)
気道が狭く、呼吸による体温調整がしにくい傾向があります。
・シニア(高齢)
体温調整機能が低下しており、体に熱がこもりやすくなります。
・肥満傾向がある
皮下脂肪が断熱材のように働き、体内の熱が逃げにくくなります。
・心臓や呼吸器に持病がある
もともと負担の大きい状態にあるため、熱の影響を受けやすくなります。
室内でも安心できない?|家の中に潜む熱中症の危険
「外に出なければ安全」「室内は涼しいから大丈夫」
そんなふうに思ってしまいがちですが、実は熱中症は室内でも頻繁に発生しています。
たとえば、次のような状況に心当たりはないでしょうか?
・東向き・南向きの窓から日差しが強く差し込んでいる
・エアコンを使っているものの、設定温度が高すぎる(28℃以上)
・換気が不十分で、部屋の空気がこもっている
・フローリングが熱を持ち、床にいる犬や猫の体温が上昇してしまう
・留守中にエアコンが停止していた(ブレーカーが落ちた、タイマーが切れた、停電など)
特に留守番中は飼い主様が異変にすぐ気づけないため、熱中症のリスクが高くなります。
毎日の暮らしの中でできる熱中症予防のポイント
では、実際にどのように室内環境を整えれば、愛犬・愛猫を熱中症から守ることができるのでしょうか?
ここでは、室温・湿度の目安から、エアコンの使い方、留守番時の工夫、水分補給やお散歩の注意点まで、具体的な対策をご紹介します。
◆快適な室温と湿度の目安
犬や猫にとって快適な環境は、室温:24〜26℃前後、湿度:40〜60%です。
人が「少し涼しいかな」と感じる程度が、犬や猫にはちょうどよい温度といえます。
◆エアコンはどう使う?
外出中もエアコンは切らず、タイマーは使わずに常時稼働させるのが基本です。
風が直接当たらないよう風向きを調整し、冷房がしっかり効いているかどうかを出かける前に確認しましょう。
また、外出前にはフィルターの掃除や動作確認を行い、冷房がきちんと作動しているかなど、事前の確認をしておくとより安心です。
◆エアコン以外にもできる涼しさ対策
エアコンに加えて、室内の環境をより快適に保つための工夫も大切です。
たとえば、直射日光が入る窓には遮光カーテンやすだれを活用して、室温の上昇を防ぎましょう。空気がこもらないように、扇風機を併用して空気を循環させるのも効果的です。
また、床で過ごす時間が長い犬や猫のために、冷却マットや通気性の良いベッドを用意すると、体温の上昇を防ぐのに役立ちます。
◆こまめな水分補給をしやすくする工夫
脱水を防ぐために水分補給の環境も整えておきましょう。
新鮮な飲み水はいつでも飲めるようにしておき、複数の場所に置いておくのがおすすめです。水をあまり飲まない場合は、ぬるめの水に変えるなどの工夫をすると飲みやすくなることがあります。
また、「流れる水」を好む猫には、循環式の自動給水器を使うのもおすすめです。
◆お散歩は「暑くないとき」が基本です
夏場のお散歩は、気温や地面の熱の影響を受けやすいため注意が必要です。
特にアスファルトは非常に高温になり、犬の肉球をやけどさせてしまうこともあります。
外の暑さがやわらぎ、地面も熱くなっていない時間帯を選んで出かけるようにしましょう。
熱中症のサインと応急処置
どれだけ注意していても、突然の気温上昇や体調の変化により、犬や猫が熱中症を起こしてしまうことがあります。
そのとき、いち早く異変に気づき、適切に対応できるかどうかが命を守るカギとなります。
以下のようなサインが見られたら、熱中症を疑いましょう。
・激しくハァハァと呼吸をしている(パンティングが止まらない)
・よだれの量が増える
・落ち着きがなくウロウロする
・元気がなく、ぐったりして動かない
・嘔吐や下痢、ふらつきがある
このような症状が見られたら、すぐに冷房の効いた室内に移動させ、体をゆっくりと冷やしましょう。
脇の下や内股などの部分に濡れタオルを当てて冷やすのが効果的です。
氷水を直接かけるのは逆効果になることがあるため、急激な冷却は避けてください。
また、意識がはっきりしていて飲水できる場合は、常温の水を少量ずつ与えるようにします。
ただし、これらの対処はあくまで応急処置にすぎません。
見た目には落ち着いたように見えても、内臓にダメージを受けている可能性があるため、必ず動物病院で診察を受けましょう。
当院では、熱中症をはじめとする急な体調不良にも対応できるよう、診療時間外の緊急連絡体制を整えております。
お電話でのご相談や来院の判断に迷う際も、ご遠慮なくご連絡ください。
まとめ
夏の暑さは年々厳しさを増しており、熱中症は決して特別なことではなく、どのご家庭でも起こりうる身近なリスクです。
しかし、「正しい知識」と「適切な環境づくり」、そして「日頃のちょっとした気づき」があれば、防ぐことのできる病気でもあります。
この夏も、愛犬・愛猫が涼しく快適に過ごせるように、できることから無理なく始めてみましょう。
そして、少しでも不安なことや気になる変化があれば、お気軽に当院までご相談ください。
千葉県市原市の動物病院なら「姉ヶ崎どうぶつ病院」
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症例
犬や猫の「肛門腺絞り」は本当に必要?|その理由と注意点【獣医師が解説】
「最近、うちの子がよくお尻を床にこすりつけている」「肛門のあたりをしきりに舐めていて、なんだかにおいも気になる」
もしかすると肛門腺のトラブルが原因かもしれません。
そのまま放置すると炎症を起こすだけでなく、細菌感染によって「膿瘍(のうよう)」と呼ばれる膿の溜まった腫れに進行することもあるため注意が必要です。
今回は、肛門腺の意外な役割や肛門腺絞りが必要になるタイミング、そして見逃してはいけない注意サインについて解説します。
肛門腺とは?|その働きと気をつけたいトラブル
犬や猫の「肛門腺(こうもんせん)」とは、お尻の左右(時計の文字盤でいうと4時と8時の位置)にある分泌腺のことを指します。
肛門のすぐ内側には、「肛門嚢(こうもんのう)」という小さな袋状の器官があり、そこに強いにおいを持つ分泌液が溜まります。
この分泌液には、それぞれの動物が持つ特有のにおいが含まれており、もともとは縄張りを主張したり、自分の存在を他の動物に知らせたりするための大切な「においのサイン」として使われてきました。
注意したい肛門腺のトラブル
現代の家庭で暮らす犬や猫たちは、自然界に比べて運動量が少なかったり、排便の刺激が十分でなかったりすることで、分泌液がうまく排出されなくなることがあります。
すると、肛門腺の中に液がどんどん溜まり、以下のようなトラブルにつながります。
・肛門腺うっ滞(分泌液が溜まって詰まりやすくなる状態)
・肛門腺炎(溜まった液に細菌が入り、炎症を起こす)
・肛門腺膿瘍(のうよう)(腫れて膿が溜まり、破裂することもある)
このような状態になるとお尻に強い違和感や痛みを感じ、排便を嫌がったり、元気がなくなったり、食欲が落ちてしまうこともあります。
ただし、肛門腺のトラブルはすべての犬や猫に起こるわけではありません。まったく問題なく過ごせる場合もあれば、何度も肛門腺が詰まりやすい体質の犬や猫もいます。
とくに注意が必要なのは、小型犬(チワワ、トイプードル、パピヨンなど)や、肥満傾向のある犬猫、高齢の犬や猫です。
こうした傾向が見られる場合は、日頃からお尻の様子や排便後のしぐさをよく観察し、少しでも異変を感じたら、早めに対処してあげましょう。
肛門腺絞りは必要?|タイミングと気をつけたいサイン
すべての犬や猫に「肛門腺絞り」が必要かというと、必ずしもそうではありません。
排便の際にしっかりと肛門腺液が自然に排出できている場合は、無理に絞る必要はありませんし、過剰な肛門腺絞りはかえって皮膚に炎症を起こしてしまうこともあります。
肛門腺絞りが必要かどうかを判断するためには、以下のような行動やサインをチェックしてみてください。
・お尻を床にこすりつける
・肛門のあたりをしきりに舐めたり、噛んだりする
・お尻が気になる様子で、落ち着かない
・肛門の周囲から独特なにおいがする
・座るときに違和感を示す(斜めに座る、頻繁に立ち上がる など)
こうした様子が頻繁に見られる場合は、肛門腺液が溜まっている可能性がありますので、早めに動物病院に相談しましょう。
動物病院での肛門腺ケア
ご自宅で肛門腺絞りに挑戦される飼い主様もいらっしゃいますが、力加減や方向を誤ると肛門腺を傷つけることや、炎症を引き起こす原因になることがあります。初めての場合や不安がある場合は、動物病院で処置してもらうのが安心です。
また、トリミングの際に肛門腺絞りもお願いしているという飼い主様も多いかもしれません。日常のケアとしてトリマーに任せる方法もありますが、腫れやしこりなどの異常が見られる場合には獣医師による診察が必要です。
動物病院での肛門腺処置では、単に分泌液を出すだけでなく、腫れや痛み、しこり、出血の有無などを獣医師が丁寧に確認します。
とくに、肛門腺の中にしこりが見つかった場合、腫瘍(肛門周囲腺腫や肛門嚢アポクリン腺癌など)が隠れている可能性もあるため、視診と触診での見極めがとても重要です。
さらに、肛門腺の出口が詰まっている場合や感染を起こしている場合は、通常の方法では膿が排出されないこともあります。そのようなときは、抗生剤による治療や、膿瘍の切開・洗浄といった処置が必要になるケースもあります。
このように、肛門腺のトラブルを繰り返す体質の犬や猫や、肛門腺絞りをしてもすぐに再び溜まってしまうような場合には、月に1回程度の定期通院をおすすめしています。
ご家庭での肛門腺ケアに不安がある場合は、いつでも当院へご相談ください。
肛門腺トラブルを防ぐために|毎日のケアでできること
肛門腺の健康を保つには、日常生活の中でのちょっとした心がけが大切です。
まず注目したいのは「便の質」。
適度に硬さのある便は排便時に肛門腺の出口を自然に刺激し、中に溜まった分泌液を押し出す助けになります。そのため、食物繊維を適度に含んだバランスの良い食事は、肛門腺の自然な排出を促すうえでとても効果的です。
また、日頃の運動も欠かせません。
肥満は肛門腺トラブルの大きな原因のひとつです。運動不足になると便が柔らかくなりやすく、排泄力も落ちてしまうため、適度な運動で体重を管理することが大切です。
さらに、定期的な獣医師によるチェックも予防には欠かせません。
見た目ではわからない炎症や腫れが進行していることもあるため、ワクチン接種や健康診断の際に、肛門腺の状態も一緒に確認してもらうと安心です。
ご家庭でのケアと動物病院でのチェックをうまく組み合わせて、愛犬・愛猫の肛門腺トラブルをしっかり予防していきましょう。
まとめ
肛門腺は、普段あまり意識することのない小さな器官かもしれませんが、犬や猫の健康と快適な暮らしにとって実はとても大切な部分です。
分泌液が溜まりすぎると不快感や痛みだけでなく、炎症や感染などのトラブルにつながることもありますが、適切なタイミングでのケアや食事・運動といった日常の心がけによって、トラブルは予防することができます。
当院では、肛門腺に関するご相談にも対応しており、それぞれの体質や暮らしに合わせたケアをご案内しています。
「少し気になるかも」と感じた際には、お気軽にご相談ください。
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