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犬・猫の角膜潰瘍とは?目を細める・こする症状に気づいたら

症例

愛犬や愛猫が、目をしょぼしょぼさせていたり、前足で目をこすったりしている様子を見ると「ちょっとゴミが入っただけかな」「少し充血しているけど、そのうち治りそう」と、様子を見たくなることもあるかもしれません。

 

確かに目の違和感は一時的な刺激で起こることもありますが、その裏に「角膜潰瘍」という目の病気が隠れているケースもあります。角膜潰瘍は、早めに対応できるかどうかで、その後の治りやすさや経過が大きく変わることがある病気です。

 

今回は、犬・猫の角膜潰瘍について、どんな症状がサインになるのか、なぜ自然に治りにくいのか、そして受診の目安や治療の考え方を解説します。

角膜潰瘍とは?|目の表面にできる“治りにくい傷”

角膜とは、黒目の表面を覆っている透明な膜で、外からの刺激や細菌から目を守る役割をしています。角膜潰瘍とは、この角膜に傷ができ、表面がえぐれたような状態になってしまう病気です。

 

皮膚の擦り傷であれば自然に治ることもありますが、目は、常にまばたきや涙で刺激を受けたり、こすったり触ったりしやすい部位です。そのため、角膜の傷は自然に治りにくいとされています。

 

角膜潰瘍は犬・猫どちらにも起こる病気で、放置すると傷が深くなったり、治療に時間がかかったりすることがあります。さらに、傷が進行した場合には、角膜が濁って視界が悪くなるなど、視力に影響が出ることもあります。

 

「少し充血しているだけ」「そのうち治りそう」と思える段階でも、目の表面ではトラブルが進んでいることがあるため、注意が必要です。

どんな症状が出る?|白く濁る・強い痛みがサインになることも

角膜潰瘍のサインは、最初はとてもささいな変化として表れることが少なくありません。

 

<初期に気づかれやすい変化>

たとえば、次のような様子が見られることがあります。

 

目を細めたり、しょぼしょぼさせたりする

片目を閉じたままにすることが増える

前足で目をこする、顔を床や物にこすりつける

涙がいつもより多く出る

白目が赤く充血している

 

どれも一見すると「ちょっとした違和感」に見えるかもしれません。しかし、これらの仕草は、目に痛みや強い不快感があることを示すサインである場合も多く、注意が必要です。

 

<症状が進むと見られる変化>

角膜潰瘍が進行すると、次のように見た目にも分かりやすい変化が表れることがあります。

 

黒目が白く、または青白く濁って見える

目やにが増える

明らかに痛そうな様子が続く

 

一方で角膜潰瘍は、一時的に症状が落ち着き「治ったように見える」ことがある病気でもあります。ですが、その間にも角膜の傷が完全に治っていなかったり、再び悪化したりするケースも少なくありません。

なぜ悪化・再発しやすい?|自然に治らない理由

角膜は、目の表面を覆うとても薄く、デリケートな組織です。そのため、私たちが思っている以上に、日常の動きや刺激の影響を受けやすい場所でもあります。

 

たとえば、

 

まばたき

涙が目の表面を流れること

違和感から目をこする仕草

 

こうしたごく普通の動作だけでも、角膜の傷が広がってしまうことがあるのです。

 

さらに、角膜にできた傷から細菌が入り込むと、傷が治りにくくなったり、潰瘍が深くなることで治療に時間がかかったりといったリスクも高まります。「少し良くなったように見える」状態でも、内部では回復が追いついていないケースがある点には注意が必要です。

 

<目の形や特徴によって繰り返しやすい子も>

犬や猫の中には、次のような目の形や特徴から、角膜潰瘍を繰り返しやすい子もいます。

 

目が大きく前に出ている

まぶたやまつ毛が角膜に当たりやすい

 

たとえば犬では、シーズー、パグ、フレンチ・ブルドッグ、ペキニーズなど、目が前に出ているタイプの犬種で角膜トラブルが起こりやすい傾向があります。ただし、こうした特徴がない犬や猫でも、外傷や感染がきっかけとなり角膜潰瘍を起こすことは珍しくありません。

 

角膜潰瘍は、一度きちんと状態を確認し、その子に合ったケアや治療を続けることが、悪化や再発を防ぐうえで大切になります。違和感が続く場合や、何度も同じ症状を繰り返している場合は、早めに相談することが安心につながります。

診断と治療|早めの治療で守れる視力がある

角膜潰瘍が疑われる場合、まず大切になるのは「いま角膜がどんな状態にあるのか」を正しく把握することです。目の症状は見た目だけでは判断が難しく、一見軽そうに見えても、内部で傷が広がっていることもあります。

 

<目の状態を確認するための検査>

角膜潰瘍が疑われる場合、主に次のような検査を行います。

 

眼科検査:目の表面やまぶたの状態、充血や涙の量などを確認

染色検査:特殊な染料を使い、角膜に傷があるかどうかや、その深さ・広がりを確認

 

これらの検査によって「点眼治療で経過観察できる状態か」「より注意深い治療が必要な状態か」といった判断ができるようになります。

 

<「状態に合わせて」進める治療>

角膜潰瘍の治療は、すべての子に同じ方法を行うわけではありません。傷の深さや原因、その子の様子に合わせて治療内容を調整していきます。

 

基本となるのは、点眼治療原因に応じた内服や処置ですが、傷が深い場合や治りにくい場合には、より集中的な治療が必要になることもあります。

 

<早期治療で守れるものがあります>

角膜潰瘍は、早めに治療を始めることで、

 

強い痛みを早く和らげられる

傷の悪化を防ぎやすくなる

視力への影響や、手術が必要になるリスクを下げられる

 

といったメリットがあります。

 

「もう少し様子を見よう」と迷っている間に悪化してしまうより、早い段階で状態を確認することが、結果的に負担の少ない治療につながることも少なくありません。まずはいまの状態を知ることが、愛犬・愛猫の目を守る第一歩になります。

まとめ|「目の違和感」は早めの相談が安心につながる

角膜潰瘍は、最初は目を細める、こするといった小さな仕草から始まることが多く、つい様子を見たくなる病気です。しかし、目の表面はとてもデリケートなため、見た目以上に傷が進んでいたり、知らないうちに悪化や再発を繰り返してしまうこともあります。

 

また、状態によっては、視力に影響が出るケースもあるため「これくらいで受診していいのかな」と迷う段階こそが、実は大切な判断のタイミングになることも少なくありません。

 

姉ヶ崎どうぶつ病院では、角膜の状態を丁寧に確認したうえで、その子に合った治療や、再発を防ぐためのケアについても一緒に考えていきます。目の違和感に気づいたときは、どうぞお早めにご相談ください。

 

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