コラム
犬・猫の皮膚糸状菌症|脱毛・フケ・かゆみの症状と人への感染リスク
皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)は、犬や猫の皮膚や毛にカビの一種が感染して起こる皮膚病です。
見た目は軽い皮膚炎に見えても放っておくと脱毛が広がったり、人にうつることもあるため「毛が部分的に抜けてきた」「フケが多くてかゆがっている」といった症状が見られるときは、注意が必要です。
今回は、皮膚糸状菌症の原因や症状、治療法、そして再発を防ぐためのケアやトリミングとの関わりについて詳しくご紹介します。
皮膚糸状菌症とは?原因と感染の仕組み
皮膚糸状菌症は「皮膚糸状菌」という真菌(カビの仲間)が皮膚や毛根に感染して炎症を起こす病気です。
この菌は湿気を好み、温かくジメジメした環境で増えやすい特徴があります。免疫力が低下しているときや、皮膚に小さな傷がある場合には感染しやすくなるため、季節の変わり目などにも注意が必要です。
<主な感染経路>
・感染した犬や猫との直接的な接触
・ブラシやタオル、寝具などの共有
・環境中(カーペットや家具など)に残った胞子からの感染
また、この病気は人にも感染する「人獣共通感染症」のひとつです。特に子どもや高齢の方、免疫力が弱っている方は注意が必要ですが、適切な治療と環境管理を行うことで感染の広がりを抑えることができます。
主な症状
皮膚糸状菌症は、見た目や触ったときの変化から気づかれることが多い病気です。初期は軽い脱毛やフケ程度のこともありますが、放っておくと症状が広がり、かゆみや炎症が強くなることもあります。
<よくみられる症状>
・コイン状に毛が抜ける(円形脱毛)
・皮膚が赤くなり、かさぶたやフケが出る
・かゆがって掻き壊してしまう
・被毛がボサボサしてツヤがなくなる
犬は顔や前足に、猫は頭部や体幹に出やすい傾向があります。また、人に感染した場合は、赤く丸い発疹やかゆみがあらわれることがあります。
見た目がアレルギー性皮膚炎などのほかの皮膚病と似ているため、ご家庭での判断は難しい病気です。「少しおかしいかも」と感じたときは、早めに動物病院で皮膚の状態を確認してもらうことをおすすめします。
治療とご自宅でのケア
皮膚糸状菌症の治療では、まず皮膚に付着した菌をしっかり減らし、これ以上感染を広げないことが大切です。
<主な治療方法>
症状の程度や感染の範囲によって、外用薬・内服薬・薬浴(薬用シャンプー)などを組み合わせながら進めていきます。
◆ 抗真菌薬(塗り薬・内服薬)
感染した皮膚や毛に直接作用し、菌の増殖を抑えます。
◆ 薬用シャンプー(薬浴)
皮膚表面の菌を洗い流し、再感染を防ぎます。
見た目の症状が軽くても、毛や皮膚の奥に菌が潜んでいることがあるため、根気よく治療を続けていくことが求められます。
<ご家庭でのケアポイント>
治療とあわせて、ご自宅での環境ケアもとても重要です。皮膚糸状菌はカーペットや寝具などに胞子が残りやすいため、日常の清潔管理も再発防止のカギとなります。
・タオル・ブラシ・寝具などの共有を避ける
・掃除や洗濯をこまめに行い、カビの胞子を減らす
・完治するまでは、他の動物との接触を最小限にする
症状が落ち着いたように見えても、検査で陰性が確認されるまで治療を続けることが大切です。焦らず一歩ずつ、獣医師と一緒に皮膚の回復を見守っていきましょう。
トリミングとの関係|清潔を保つことが再発防止の鍵
皮膚糸状菌症は「湿気」と「汚れ」を好む病原菌によって起こります。そのため、皮膚を清潔に保つトリミングは、再発防止のうえでも大切なケアのひとつです。
<トリミングでできる皮膚ケア>
・被毛を短く整え、通気性をよくする
・薬用シャンプーで皮膚を清潔に保つ
・トリマーが異変に気づき、早期発見につながる
特に、皮膚トラブルがある子や再発を繰り返す子は、動物病院併設のトリミングを利用するのがおすすめです。
姉ヶ崎どうぶつ病院では、皮膚の状態を確認しながら薬用シャンプーを使用し、必要に応じて獣医師が診察を行います。皮膚の健康を守るため、「美容」と「医療」の両面からサポートできる体制を整えています。
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皮膚トラブルがある子も、獣医師の確認のもとで安心して施術を受けられます。「最近、毛が抜けてきた」「皮膚が赤い」など気になる症状がある場合は、この機会にぜひご相談ください。
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まとめ
皮膚糸状菌症は、犬や猫にとって身近な皮膚トラブルのひとつです。見た目は軽い皮膚炎のようでも、放っておくと脱毛が広がったり、人に感染してしまうこともあります。治療を続けながら、ご家庭での清潔管理やトリミングを通して皮膚を健やかに保つことが、再発を防ぐための大切なポイントです。
「少し毛が抜けている気がする」「赤みがなかなか引かない」といった小さな変化も、早めにご相談いただくことで大きなトラブルを防ぐことができます。気になる症状があればお気軽に姉ヶ崎どうぶつ病院までご相談ください。
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