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皮膚が赤い・べた猫のマラセチア性皮膚炎とは?治療とケアのポイント

症例

「最近うちの子、体がべたつく」「なんだか独特なにおいがする」――そんな変化を感じたことはありませんか?

 

特に耳や脇、首まわりに赤みやかゆみ、においを伴う症状がみられる場合は「マラセチア性皮膚炎」が疑われます。放っておくと慢性化することもあるため、早めのケアが大切です。

 

今回は、犬や猫のマラセチア性皮膚炎の原因や症状、治療・ケアの方法について、獣医師の視点から解説します。

マラセチア性皮膚炎とは?原因と起こりやすい部位

「マラセチア」は、犬や猫の皮膚や耳の中に普段から存在している“常在菌”の一種(カビの仲間)です。

 

健康なときは皮膚のバランスを保つ働きをしていますが、以下のような要因が重なると、異常に増えて炎症を起こすことがあります。これが「マラセチア性皮膚炎」と呼ばれる状態です。

 

<主な原因>
・湿気や皮脂が多く、皮膚が蒸れやすい環境
・耳の中や皮膚のシワに汚れや湿気がたまる
・シャンプーのすすぎ残し
・免疫力の低下やホルモンバランスの乱れ

 

マラセチアは季節や体質の影響を受けやすく、特に湿度が高い時期には発症しやすくなります。

症状の特徴

マラセチア性皮膚炎は、においやべたつき、赤みといったサインから気づかれることが多い病気です。

 

<よくみられる症状>
次のような小さな変化を見逃さないことが、早期発見につながります。

 

皮膚が赤くなっている、かゆがっている
フケが多く、毛に白い粉がついている
被毛がべたつき、触ると脂っぽい感触がある
甘酸っぱいような独特のにおいがする

 

炎症が進むと、皮膚が黒ずんだり厚く硬くなったりすることもあり、慢性化すると治りにくくなる傾向があります。

 

<部位別の特徴>
以下の部位は、蒸れやすく皮脂が多い“マラセチアが好む環境”です。

 

耳の中
マラセチアが増えると「外耳炎」を起こしやすく、耳をかく頭を振る耳を気にする仕草が見られます。

 

顔まわりや首、脇、股など
毛が抜けて赤くなり、触るとべたつくことがあります。

 

猫の場合
あごや顔まわりが脂っぽくなり、毛が束のように固まることもあります。

 

「シャンプーしてもすぐにべたつく」「においが取れない」と感じたら、早めに動物病院で皮膚の状態を確認してもらいましょう。

治療とケア|治らないときは原因を探ることが大切

マラセチア性皮膚炎の治療では、皮膚に増えたマラセチアを減らし、炎症を落ち着かせることが基本です。

 

<主な治療方法>
症状の程度や広がりによって、治療の方法は少しずつ異なります。

 

外用療法
抗真菌薬を含む薬用シャンプーや塗り薬で、皮膚の表面で増えたマラセチアを減らし、清潔に保ちます。

 

内服療法
皮膚全体に症状が広がっている場合や、外用だけで改善が見られない場合に併用することがあります。

 

ただし、マラセチア性皮膚炎は再発しやすい病気でもあります。そのため、表面的な炎症を治すだけでなく、なぜマラセチアが増えたのかという“背景の原因”を探ることが大切です。

 

たとえば…

 

アレルギーによる皮膚バリアの低下
皮脂分泌の異常
ホルモンバランスの乱れ(内分泌疾患など)

 

これらが関係していると、治療しても再発を繰り返すことがあります。

 

また「良くなったように見えても、完全に菌がいなくなっていない」というケースもあるため、自己判断で治療を中断せず、獣医師の指示に沿って通院を続けることが再発防止のポイントです。

 

<ご家庭でのケアポイント>
日常生活では、次のようなケアを意識するとより効果的です。

 

定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保つ
シャンプー後はドライヤーでしっかり乾かして湿気を残さない
ベッドやタオルなどをこまめに洗濯し、清潔を保つ

 

こうした日常のケアと通院を並行して行うことで、皮膚の健康をより良い状態に保つことができます。

トリミングとの関係|清潔を保つことが再発予防に

マラセチア性皮膚炎は、皮膚の蒸れや汚れがきっかけで悪化・再発しやすい病気です。そのため、皮膚を清潔に保つトリミングは、予防と再発防止のどちらにも大切な役割を果たします。

 

被毛を整え、シャンプーとドライを丁寧に行うことで通気性が良くなり、マラセチアが増えにくい健康的な皮膚環境を維持できます。

 

<病院併設のトリミングなら皮膚トラブルのある子も安心>
ご自宅でのケアが難しい場合や、すでに皮膚トラブルがある子は、動物病院併設のトリミングがおすすめです。

姉ヶ崎どうぶつ病院では、皮膚の状態を確認しながら、必要に応じて薬用シャンプーを使用しています。また、炎症やかゆみが強い場合は、獣医師が診察のうえで最適なケア方法をご提案します。

 

<新規限定!初回トリミング料金20%オフキャンペーン>
現在、初めて当院のトリミングをご利用いただく方を対象に、回料金20%オフキャンペーンを実施しています。

 

実施期間:2025年10月31日(金)まで
対象:初めて当院のトリミングを利用される方
(※事前診察が必要となる場合があります)

 

「皮膚に赤みがある」「ベタつきやにおいが気になる」といったお悩みのある飼い主様は、ぜひこの機会にご利用ください。

 

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まとめ

マラセチア性皮膚炎は、赤み・べたつき・においなど、飼い主様が気づきやすいサインから始まることが多い病気です。湿度や体質などの影響で再発しやすいため、治療とあわせて日常のケアを続けていくことが大切です。

 

「なかなか治らない」「繰り返してしまう」と感じたときは、原因を特定することが改善への近道です。当院では、治療だけでなく日常のケアまで見据えたサポートを行っています。
再発しにくい健康な皮膚づくりを一緒に目指していきましょう。

 

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