コラム
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症例
犬と猫の膝蓋骨脱臼の原因と症状は?診断・治療方法について解説
膝蓋骨脱臼は小型犬に多くみられる疾患ですが、猫や大型犬でも発生します。
脱臼の頻度や症状の有無に応じて、個々の動物ごとに治療法を判断します。
本記事では、犬と猫の膝蓋骨脱臼の原因と症状、診断、治療方法について解説します。犬と猫の膝蓋骨脱臼の原因
犬と猫の膝蓋骨脱臼は、明らかな外傷なく自然発生的に生じることが多いとされています。様々な研究がされていますが、その正確な病態は解明されていません。稀ではありますが、急激な方向転換や落下など、外傷が原因で生じることもあります。
犬と猫の膝蓋骨脱臼の症状
犬と猫の膝蓋骨脱臼の症状は以下の通りです。
・間欠的に足を挙上する(スキップ)
・足を挙上したまま歩く
・O脚(ガニ股)で腰を落として歩く同じ脱臼の頻度でも、症状の重症度には症例ごとに大きな違いが存在します。また、重度の疼痛を示すことは少ないため、飼い主様自身が異常に気づいていないこともあります。
犬と猫の膝蓋骨脱臼の診断方法
犬と猫の膝蓋骨脱臼の診断は、触診で行います。立位・横臥位それぞれで実施し、脱臼の頻度や左右差、脱臼時の患肢機能を評価します。
レントゲン検査は、飼い主への説明や、その他疾患の除外、手術計画などに有用です。重篤な症例では、CT検査を行い3次元的に骨形態の評価を行うこともあります。脱臼の頻度は、一般的に以下の4段階に分類されます。
・グレード1:膝蓋骨を手で押すと脱臼するが、離すと元の位置に戻る。
・グレード2:膝関節の可動に伴い、自発的に脱臼と整復を繰り返す。
・グレード3:膝蓋骨は常に脱臼しているが、用手で整復可能。
・グレード4:膝蓋骨は常に脱臼しており、用手で整復不可。脱臼の頻度(グレード)は上記のように分類されますが、治療介入の有無には年齢や体重、症状の程度などグレード以外の要素も考慮する必要がありますので、個々の症例でオーダーメードに判断を行います。
また、膝蓋骨は小型犬に好発する疾患であるため、膝蓋骨は脱臼する症例でもその他の疾患が跛行の原因なっていることもあり、鑑別診断が重要です。特に中年齢以降では、前十字靭帯損傷の併発が好発します。
犬と猫の膝蓋骨脱臼の治療方法
犬と猫の膝蓋骨脱臼の治療方法は以下の通りです。
・保存治療
・外科治療それぞれについて解説します。
保存治療
手術を行わずに経過観察を行う方法です。
疼痛などが強い症例では痛み止めの使用などが検討となりますが、あくまで対症療法となり、膝蓋骨の脱臼を防ぐことはできない点に注意が必要です。外科手術
複数の手技を組み合わせて実施することが一般的です。
膝蓋骨脱臼で行われる手技には以下のようなものが挙がられます。・軟部組織の縫縮/解放:過剰に弛緩/緊張した内外側の軟部組織のバランスを調節する
・滑車溝形成術:膝蓋骨のはまるべき溝である滑車溝を深くする
・脛骨粗面転移術:膝蓋腱の付着部である脛骨粗面の位置を矯正する
・骨切り術:大腿骨や脛骨の形を矯正する犬と猫の膝蓋骨脱臼の予防方法
膝蓋骨脱臼の発生を完全に予防することはできませんが、滑りやすい生活環境はリスク因子になる可能性があります。フローリングにマットを敷く、バリカンで肢先の毛を刈るなどの生活指導をすると良いでしょう。
まとめ
膝蓋骨脱臼は頻発する関節疾患ですが、その治療方針は個々の症例ごとに判断することが必要となります。
またよく遭遇する疾患である一方、膝蓋骨が脱臼していてもその他の疾患が跛行の原因となっていることもありますので、慎重に診療に当たる必要があります。姉ヶ崎どうぶつ病院は一緒に働く仲間を募集しています
姉ヶ崎どうぶつ病院は1.5次診療施設で質の高いジェネラリストを目指し、地域獣医師医療を担う動物病院です。
獣医師、動物看護師ともに育成プログラムが充実しており、「獣医師や動物看護師として経験を積んで成長しやすい環境」が整っています。
目の前の課題に対し、しっかり取り組む方、誠意をもってコミュニケーションを取る方、そして動物はもちろん、飼い主様やスタッフ同士の気持ちを理解しようと努力する方の応募を心からお待ちしています。
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SMALL ANIMAL SURGERY第3版 p1439続きを読む > -
症例
犬の膀胱腫瘍
こんにちは、獣医師の會田です!
今回は犬の膀胱腫瘍について解説していきたいと思います。
犬の膀胱腫瘍は治療計画を練る際、非常に悩むポイントの多い腫瘍です。
その理由として…・膀胱腫瘍は悪性が多い
・発見時、進行した状態で見つかることが多い
・腫瘍のできた位置や大きさ進行具合で排尿障害(=尿をしたくても出しにくい、出せない)が起きた場合、QOL(生活の質)が非常に低下する
・局所浸潤が強く、手術となると侵襲的になるケースがある
・遠隔転移がよくみられ、転移の場所によってはさらにQOLが下がる
・治療の選択肢で内科治療を行うことが多いが、高齢犬は腎機能が低下している個体が多いため、治療の継続が難しくなるケースがあるしかしそんな治療の難しい膀胱腫瘍に新しい薬の選択肢ができました。
今回はその治療薬と共に、膀胱腫瘍の診断と治療について詳しく紹介していきたいと思います。当院では犬の膀胱腫瘍に関して、飼い主様と相談しながら診断・治療を行っています。
気になる症状がありましたらお気軽にお問い合わせください。※膀胱腫瘍は猫での発生が稀なため、今回は犬の膀胱腫瘍に焦点を当ててお話しします。
概要
犬の膀胱腫瘍は、犬の腫瘍全体の0.5〜1%、悪性腫瘍の2%を占めます。
一言で膀胱腫瘍といえども組織学的分類はさまざまあり、そのほとんどが膀胱・尿道の尿路上皮癌/移行上皮癌(74%)と言われています。この腫瘍は前述の通り非常に悪性度が高く、挙動が悪い腫瘍で有名です。原因や傾向
膀胱・尿道の尿路上皮癌/移行上皮癌は高齢犬での発生率が高く、オスよりもメスに多くみられます。また、スコティッシュテリアやシェットランド・シープドッグ、ビーグルなど特定の犬種に多いことから、遺伝的要因が関与していると考えられています。その他、除草剤への暴露や肥満などの関連性が示唆されています。
症状
頻尿や血尿、排尿困難、下腹部痛など、膀胱炎と同じような症状がみられます。また、尿が完全に出なくなってしまうと(尿道閉塞、尿管閉塞)尿毒症を引き起こすため、全身状態の低下が認められます。
膀胱移行上皮癌は骨への転移をすることが知られており、その場合は動物の跛行(はこう:正常な歩行ができない状態)の原因になります。腰椎に転移した場合は、神経障害も併発することが知られています。診断方法
いくつかの検査を組み合わせて総合的に診断しますが、確定診断には病理組織検査が必要です。
・画像検査(超音波検査、レントゲン検査、CT検査)
膀胱腫瘍は超音波検査を実施している時に発見することがほとんどです。
腫瘤性病変の確認、位置の特定、膀胱筋層への浸潤程度などを確認します。単純レントゲン検査では膀胱粘膜の病変を描出することは困難ですが、周囲の組織への影響(リンパ節の腫脹、骨転移等)を確認することが可能です。ただし病変が小さい場合は、進行に伴って異常が発見されることもあります。
CT検査は麻酔下で行う検査です。腫瘍の周囲組織への浸潤程度や播種、遠隔転移を評価します。また造影剤を使って腫瘍と尿管の位置関係を把握します。
・細胞診
・組織検査
細胞診をする上で一般的な検査は針生検ですが、膀胱腫瘍に関しては尿道カテーテルを介して腫瘍細胞や組織の一部を採材する方法が選択されます。
採材した細胞や組織は染色や固定を経て、診断医の元へ送られます。・遺伝子検査(BRAF遺伝子変異検査)
犬の移行上皮癌や前立腺癌では、BRAFという遺伝子の変異が認められることが多いとされています(70〜90%)。変異が確認された場合もされなかった場合も確定診断には至りませんが、上記の検査を複数組み合わせて行うことによって診断精度が上がるため、当院でもご提案しています。治療方法
腫瘍治療の三本柱は外科療法、内科療法、放射線療法と言われていますが、膀胱移行上皮癌に関しては術後の合併症や管理の問題から内科療法が選択されることが多いです。
今回は当院で行なっている内科療法をご紹介します。使用するお薬
・NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
・抗がん剤
・分子標的薬今まではNSAIDsや抗がん剤を使った治療がメインでしたが、効果のあるとされる薬は腎臓への負担が大きく、すでに腎機能不全のある動物では選択しにくい治療薬でした。
しかし冒頭でも述べた分子標的薬は副作用が少なく、生存期間を延長させられる可能性のある治療薬として、2022年に論文で発表された治療法です。それがHER2阻害薬「ラバチニブ」です。
従来使われていたNSAIDsと併用により、腫瘍を完全に消失させることは難しいものの、
腫瘍のサイズを縮小させたり、維持する効果が確認されたという報告です。
高い効果、副作用の少なさ、治療の侵襲度の低さから、是非おすすめしたい治療方法ではありますが、デメリットがあるとしたら費用です。体重によって使用量は変わってくるので、治療方針は担当の獣医師とよく相談し、飼い主様と動物にとって一番良い治療を選択していければと思っております。
膀胱腫瘍の予防法や飼い主様が気を付けるべき点
腫瘍は予防が難しいものの、膀胱の移行上皮癌の危険因子に「肥満」が含まれているため、食事管理や適度な運動で適正体重の維持を目指しましょう。
また、膀胱腫瘍は発見が遅れれば遅れるほど予後も悪くなります。 高齢犬で膀胱炎のような症状がみられた場合には、なるべく早めの受診をおすすめいたします。
まとめ
犬の膀胱腫瘍自体の発生率は低いものの、その多くが移行上皮癌であるため注意が必要です。膀胱腫瘍は肉眼で見ることはできませんが、血尿や頻尿など飼い主様が気付きやすい症状が現れるため、異常がみられた場合はなるべく早めの受診をお願いします。
また当院では、治療効果が認められている分子標的薬を使った治療も行っております。
ご質問やご相談は、お気軽にお問い合わせください。千葉県市原市の動物病院なら「姉ヶ崎どうぶつ病院」
診療案内はこちらから<参考>
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1090023315000350?via%3Dihub
https://www.nature.com/articles/s41598-021-04229-0続きを読む > -
症例
犬の潜在精巣(=停留精巣、陰睾)について|放置すると精巣腫瘍の発生率が高まってしまう先天性疾患です
こんにちは、獣医師の會田です。
最近潜在精巣の子犬さんの去勢手術をすることが多かったので、啓蒙の意味も含め、潜在精巣について解説していこうと思います。
精巣は通常、生後6ヶ月齢くらいまでに腹腔内から陰嚢に下降します。これが正常に下降せず、腹腔内や鼠径部に留まってしまう状態のことを潜在精巣、停留清掃、陰睾と言います。
小型犬に発生が多く、そのままにすることで精巣腫瘍の発生リスクが高まること、また常染色体劣勢遺伝子が関与する遺伝性の疾患であることから、若い年齢での去勢手術が望まれる疾患です。
原因
先ほども記載させていただきましたが、潜在精巣は遺伝性疾患です。
チワワやトイ・プードル、ポメラニアン、マルチーズ、ミニチュア・ダックスフンド、たまに大型犬の子など、主に純血種の小型犬に多く発生します。
症状と合併症
症状は無症状であることがほとんどです。
ただし下降していない精巣が捻転(=捻れる)したり腫瘍化すると、さまざまな症状を引き起こします。
精巣捻転は急性で重度の腹痛症状を引き起こし、一般状態の低下が認められます(稀な病態ですが、実際捻転を起こした子はかなり痛そうにしていました…)。気になって痛みの強い場所を舐める子もいます。
腫瘍化した場合は腫瘍の種類によって、起こってくる症状はさまざまです。
精巣にできる腫瘍で上位を占めるのが、セルトリ細胞腫、精上皮腫、間細胞腫です。
セルトリ細胞腫は性ホルモンのエストロジェンを産生するため、この腫瘍の25〜50%の犬に高エストロジェン血症(左右対称性脱毛、貧血等)の症状が認められると言われています。高エストロジェン血症によって骨髄毒性が起きた場合や転移を引き起こした場合は生死に関わる事態なので、去勢手術をすることで未然に防げるのであれば是非行っていただきたいという想いです。
診断方法
身体検査で発見されることが多いです。
陰嚢部分を触診し、片方、もしくは両方の精巣が降りてきているかどうかを確認します。
動物が小さい場合はわかりにくいこともあるので、状況によってはエコーを用いて、精巣の位置を確認することもあります。
治療方法
潜在精巣を内科的に治療することはできないので、治療には若い年齢での去勢手術を行う必要があります。※通常の去勢手術とは異なり、精巣の位置によっては開腹が必要になることも。
気づいた時は無症状の潜在精巣も、そのままにしてしまうと、精巣腫瘍の発生率が10倍前後も高くなることがわかっています。犬種や成長具合にもよりますが、生後6ヶ月を過ぎたら去勢手術の実施することをご検討いただきたいです。
当院で実施している避妊・去勢手術についての詳細はこちらのページをご覧ください
予防法や飼い主様が気を付けるべき点
先程もご紹介したとおり、潜在精巣は遺伝的要因が大きく関係しています。
そのため、潜在精巣の犬を繁殖犬にしないこと、ブリーダーさんから購入した子が潜在精巣だった場合は、ブリーダーさんに情報共有を行うこと、こちらが将来生まれてくる子たちの病気を予防する唯一の方法です。
そしておうちに来た子がもし潜在精巣だった場合は、将来の病気を予防する目的で去勢手術の実施を検討していただきたいです。
精巣は正常であれば生後1ヶ月頃から、遅くても生後2ヶ月頃までに陰嚢に降りてきます。
当院でも初診時やワクチン接種時に身体検査を行いますが、子犬をお迎えしたら精巣が降りてきているかどうか、ご自宅でも”やさしく”触って確かめてみてください。
お気づきの点があれば、当院獣医師に治療についてご相談いただけたらと思います。
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姉ヶ崎どうぶつ病院は千葉県市原市にある1.5次診療施設です。
地域獣医医療への貢献を掲げ、飼い主様がなんでも相談できる、安心して通える病院であり続けることを理念に日々の診療にあたっています。
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症例
犬や猫の膣脱の原因と症状は?診断・治療方法と予防法について解説
腟脱は稀な疾患ですが、先日出産に伴って腟脱→子宮脱を起こした猫さんが来院されたので、記事を作成することにしました。
腟脱は膣の全周360度がドーナツ状に反転し、外陰部から突出する病態です。
子宮脱は、膣のさらに奥の組織の子宮が、反転して体外に出てきてしまう病態です。
脱出した状態が長時間に及んだ場合は膣粘膜の外傷、感染、壊死を引き起こしたり、脱水やショックなどの全身症状を引き起こすこともあります。
脱出してるかな?と思ったら早めに病院までお問い合わせください。
本記事では、犬や猫の膣脱・子宮脱について原因や症状、診断・治療方法を詳しく解説します。
犬猫の膣脱が起こる原因と病態
腟脱はホルモンに関連して起こります。
まず発情前期から発情期にかけてエストロジェンが分泌され、その影響で膣粘膜は腫れぼったくなり、厚みが増します。腫れた膣粘膜が外陰部から見えてしまうのが、膣過形成や、軽度の腟脱と呼ばれる状態です。完全な腟脱は出産時や妊娠後期に起きやすく、いきみ続けることで腟脱後に子宮まで脱出してしまうこともあります。
犬においては、好発犬種として以下の犬種の報告があります。
・ブルドック
・ボクサー
・ゴールデンレトリバー
・ジャーマンシェパード
・セントバーナード
・ラブラドールレトリーバー主に若齢の大型犬に多くみられ、ボクサーに関しては遺伝的な原因も考えられています。
犬猫の膣脱の症状
膣脱を起こした時は外陰部から赤い膣粘膜側が突出していますので、飼い主様もすぐに気づかれると思います。
腟脱の程度がひどい場合はうっ血により組織の一部が紫や黒色に変色し、汚れや外傷が見られます。
動物は違和感で陰部を舐めたり、出血していることが多いです。
犬猫の膣脱の診断方法
膣脱は、特徴的な外観をしているため、病歴の聴取、視診と触診で診断可能です。
来院した際の脱出の状態、脱出していた時間、組織の状況や全身状態で治療方法も変わるため、状態も含めて検査していきます。
全身状態や感染の有無を判断する目的で、また麻酔をかけての整復が必要な際は麻酔前検査を目的に、事前に血液検査や画像検査を行うケースもあります。
犬猫の膣脱・子宮脱の治療方法
膣脱は、軽度であれば発情終了と同時に退縮するケースが多いですが、次の発情時にも再発することがほとんどです。
脱出した組織が多い場合、麻酔下で脱出した組織を洗浄し、反転した膣の浮腫を取りながら手で戻していくことをまず試みます。戻らなかった場合は会陰切開をして入口を広げたり、それでも戻らない場合は開腹してお腹側から子宮の牽引する場合もあります。
また外傷・潰瘍・炎症が重度であれば、該当部分の膣粘膜を外科的に切除するケースもあります。
犬猫の膣脱・子宮脱の予防方法
膣脱を予防するためには、避妊手術を行うのが最も有効な手段です。
何度も再発を繰り返している場合には積極的に避妊手術をお勧めします。
まとめ
本記事では、犬猫の膣脱・子宮脱について原因や症状、診断・治療方法を詳しく解説しました。
膣脱は性ホルモンの影響を受けて発生することが多い病態です。
発情が終了すれば改善でする場合が多いものの、脱出が重度、脱出してから時間が経ってしまうと膣粘膜の壊死や全身状態の悪化を引き起こします。
腟脱・子宮脱を疑ったらまずは病院にご連絡ください。
再発を何度も繰り返す症例については、根本的な解決策として避妊手術の実施をおすすめいたします。
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姉ヶ崎どうぶつ病院は千葉県市原市にある1.5次診療施設です。
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症例
犬や猫の橈尺骨骨折の原因と症状は?診断と外科治療の方法について解説
犬や猫の橈尺骨骨折は、前足にある橈骨と尺骨に起こる骨折です。
小型犬や子犬、子猫は、この部位の骨が細く、骨折が好発します。
本記事では、犬や猫の橈尺骨骨折の原因や症状、診断・治療方法について解説していきます。
犬や猫の橈尺骨骨折の原因
橈尺骨は、犬や猫の前肢にある骨です。比較的細い骨であるため、ソファから飛び降りたり、ジャンプしたりした衝撃で骨折してしまう場合があります。
また、人間が踏んでしまったり、ドアで挟んでしまったりといった事故でも骨折しやすい部位です。
小型犬や子犬、子猫で好発する骨折であるため、該当する犬や猫の飼い主様には、橈尺骨骨折のリスクをお伝えし、環境整備や飼育指導を行っています。
犬や猫の橈尺骨骨折の症状
橈尺骨骨折の症状は以下の通りです。
・跛行
・足を挙上させる
・内出血
・痛み骨折を起こしている場合には、激しい痛みが伴うため、足を挙上して歩行します。
外傷の既往があり、歩行異常や触ると痛がるなどの症状がみられた際には、橈尺骨骨折の可能性も考え、診断を進める必要があります。
犬や猫の橈尺骨骨折の診断方法
橈尺骨骨折の診断では、レントゲン検査が有用です。
レントゲン検査は骨の異常を検出するのが得意で、骨折している症例の外科手術の必要性の判断もできる優れた検査です。
骨のズレの程度が小さい場合には、ギプスなど外固定で対処することもありますが、ズレの程度が大きい場合には外科手術が必要になります。
犬や猫の橈尺骨骨折の治療方法(外科手術の場合)
橈尺骨骨折による骨のズレが大きい場合や、ギプスや包帯による固定が難しい場合には、外科手術が適応になります。
外科手術は以下のような術式を、単独もしくは組み合わせて実施します。
プレート固定法
骨折線を揃え、プレートとスクリューを埋め込んで固定する方法です。
高い強度の固定ができるのが特徴です。
※骨癒合が確認された後、状況次第で再度麻酔をかけてスクリューやプレートを除去することもあります。
創外固定法
骨に数本のワイヤーを挿入して、皮膚の外で固定する方法です。
実際の術式は骨折の程度や動物の状態に合わせて整形外科専門医が選択します。
まとめ
本記事では、犬や猫の橈尺骨骨折の原因、症状、治療方法について詳しく解説してきました。
橈尺骨骨折は、小型犬や子犬、子猫など骨が細い子に多い骨折です。
外傷後の跛行等を確認した場合は、お早めに当院までお問い合わせください。
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