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猫の喘息|「ゼーゼー」「ヒューヒュー」する発作時の症状と対策
愛猫が「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と息をしているように聞こえて、飼い主様は不安を感じたことがあるかもしれません。
このような呼吸音や咳の背景にはいくつかの原因があり、その一つとして注意したいのが「喘息」です。猫の喘息は、気道が過敏になって発作的に狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。
今回は、猫の喘息で見られやすい「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸音の特徴や発作時のサインから日常でできる環境の整え方まで分かりやすくお伝えします。

猫の喘息とは|気道が狭くなる仕組み
猫の喘息は、気管支(空気の通り道)に慢性的な炎症が起こり、刺激に敏感になってしまうことで発作が起こりやすくなる状態です。炎症が続くと、普段は問題にならない程度の刺激でも反応しやすくなります。
発作が起こると、気道がギュッと収縮して空気が通りにくくなり、さらに粘液が増えて息苦しさが強まります。その結果、呼吸のたびに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音が聞こえたり、咳が続いたりします。
悪化のきっかけは一つとは限りません。たとえば、以下のような要因が関係することがあります。
・粉塵(ホコリや猫砂の舞い上がり)
・たばこの煙
・香りの強い製品
・急な温度変化
・ストレス(環境の変化や留守番時間の長時間化など)
こうしたきっかけが分かれば、治療の方針やご家庭での環境づくりを検討しやすくなります。
<間違いやすい「毛玉吐き」の動作>
毛玉を吐く前のえづきと、咳の発作は似て見えることがあります。そのため「毛玉吐きかな?」と様子を見ているうちに、咳を放置してしまいやすい点に注意が必要です。
・毛玉吐きの場合:えづいたあとに口を開けて「オエッ」と吐き出す動きに移り、毛や胃液が実際に出ることが多い。(生理的な現象)
・喘息の咳の場合:乾いた咳が続く。息を吐くときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音が混じることや、胸やお腹を大きく動かす呼吸になることがある。
しかしこのような様子だけでは判断がつきにくいこともあるので、少しでも心配なときは動物病院へご相談ください。
▼抜け毛対策についてはこちらで詳しく解説しています
発作時の症状|咳だけでなく呼吸の変化も
喘息は「咳だけの病気」と思われがちですが、呼吸の仕方の変化も重要な手がかりになります。
発作が疑われるときは、まず飼い主様が落ち着いて、猫が興奮しない環境を整えることが大切です。無理に抱き上げたり、口の中を触って確かめたりすると、呼吸が乱れることがあります。煙や香りの強いものから離し、静かな場所で刺激を減らしましょう。
猫が落ち着いているようなら、咳だけでなく「呼吸の様子にも変化がないか」を併せて見ておくことが大切です。
<よく見られるサイン>
次のような様子が見られないか、まず観察してみましょう。
・乾いた咳が続く
・うずくまるような姿勢で咳き込む
・呼吸のたびに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音が混じる
・呼吸が速く浅い
・胸やお腹を大きく動かして息をする
発作の直後に普段通りに戻る場合もあれば、違和感が長引くこともあります。
「いつもと違う」と感じる状態が続くときは、「いつからか続いているか」や咳の様子を記録しておくと受診時に役立ちます。
<急いで受診したいサイン>
次のような様子が見られる場合は、早めの受診が安心です。
・口を開けて呼吸する
・横になれず座ったまま動かない
・ぐったりして反応が鈍い
・舌や歯ぐきが青紫っぽく見える
こうしたサインは、猫にとって呼吸の苦しさの表れです。早めの対応が必要なので、速やかに動物病院へ相談してください。
診断と治療の流れ|似た病気も含めて見極め、発作と炎症を管理
「ゼーゼーする」「咳が出る」という症状は、喘息以外でも起こります。心臓の病気、感染症、気管支炎や肺の病気などでも似た様子が見られるため、検査で見極めることが欠かせません。
<検査>
まず問診で、症状の頻度、起こりやすい時間帯、きっかけになりそうな出来事を伺います。生活環境が影響していることもあるため、猫砂の種類、芳香剤やスプレーの使用、喫煙環境、掃除の頻度などの情報もとても重要です。
また、咳の回数をメモしたものや呼吸の様子を撮影した動画があると、状況の把握に役立ちます。
続いて聴診を行い、呼吸音に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった異常な音が混じっていないか、肺や気道の音に左右差がないかなどを確認します。
必要に応じてレントゲン検査や血液検査などを組み合わせて評価します。
<治療>
動物病院での治療は「発作を落ち着かせて呼吸を楽にすること」そして「気道の炎症を抑えて再発を減らすこと」の二つが中心です。発作の程度や頻度に応じて、気管支を広げる治療や、炎症を抑える治療が選択されます。
吸入治療が選択肢になることもあり、全身への影響を抑えつつ気道に作用させることを狙います。霧状の薬を吸入して気道に届けるため、内服や注射に比べて全身への負担を減らしつつ、気道の炎症を抑えられます。
その後は症状の変化を見つつ、薬の種類や量を段階的に見直していくことが一般的です。安定してきたら、症状の波に合わせて継続管理を行い、発作が起きにくい状態を目指します。
生活で気をつけること|発作を起こしにくい環境づくり
喘息は、治療だけでなく生活環境の見直しが発作予防に直結します。以下のヒントを参考に、できることから実践していきましょう。
◆刺激を減らす
たばこの煙、線香やお香、アロマ、消臭スプレーなどは、気道を刺激する原因になりえます。刺激になりやすいものは、できる範囲で避けていきましょう。
・香りの強い製品の使用を控える
・使用する場合は猫のいない場所で行い、十分に換気する
・スプレー類を噴霧した後の空間に猫を入れない
◆ホコリ・塵の対策
室内のホコリや猫砂は、舞い上がると咳や呼吸音のきっかけになることがあります。このような粉塵が舞いにくい工夫を取り入れてみてください。
・粉立ちの少ない猫砂を検討する
・砂の補充や入れ替えはゆっくり行う
・掃除機の排気が気になる場合は拭き掃除も組み合わせる
◆室内環境
空気が乾燥しすぎると咳が出やすいことがある一方、過度の加湿はカビの原因にもなります。負担を増やしにくい室内環境を目指しましょう。
・室温と湿度を急激に変えない
・加湿はしすぎず、換気や清掃も意識する
・冷え込みやすい時間帯は寝床の場所を工夫する
症状は「その日だけ」で落ち着くこともあれば、環境の変化や時間帯、季節によって出やすさが変わることがあります。
猫砂を変えた日や香りの強い製品を控えた期間など、環境を変えたタイミングと咳・呼吸の様子の変化を一緒にメモしておくと良いでしょう。何が発作のきっかけになりやすいかを振り返りやすくなり、治療や環境づくりにも役立ちます。
まとめ|「ゼーゼーする呼吸」「発作」は早めの相談が安心につながる
喘息は、発作を抑える治療と、生活環境の見直しを組み合わせることで、発作の頻度や苦しさを減らしていくことが目標になります。
「いつもと違うかも」「毛玉吐きと見分けがつかない」と迷ったときに相談いただくと、早期に猫の呼吸の負担を軽くすることにつながります。
当院では、喘息に似た病気も含めて丁寧に見極め、猫に合った治療とご家庭での工夫を一緒に考えていきます。気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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