
コラム
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症例
猫の糖尿病を見逃さない!|初期症状と治療のポイント
猫の糖尿病は、インスリンが十分に働かないために血糖値のコントロールが難しくなる病気です。インスリンは膵臓から分泌され、体内の血糖値を調整する大切な役割を担っています。
通常、食事で摂取された糖は血液に取り込まれ、インスリンの働きによって細胞に吸収されてエネルギーとして使われます。しかし、インスリンの不足やインスリンが正常に分泌されても細胞が反応しにくい「抵抗性」がある場合、糖がうまく吸収されません。その結果、血糖値が高くなり、糖尿病が進行してしまうのです。
猫の糖尿病は、人間の2型糖尿病に似ており、特に肥満や高齢の猫に発症しやすい病気です。発症率は増加しており、猫全体の0.5〜1%が糖尿病を抱えていると推定されています。
今回は、猫の糖尿病について初期症状から治療法までを詳しく解説します。
症状|猫の糖尿病の初期症状を見逃さないために
・通常より多くの水を飲むようになる(多飲)
糖尿病により血糖値が高くなると、体は余分な糖を尿として排出しようとします。そのため、体内の水分が失われやすくなり、猫がいつもより頻繁に水を飲むようになります。
・排尿回数が増える(多尿)
血糖値が高くなると、腎臓は余分な糖を尿として排出しようとします。その結果、排尿回数が増え、尿の量も多くなります。
・食欲の増加(多食)
インスリンが不足すると、細胞がエネルギーをうまく取り込めなくなり、体が飢餓状態だと感じてしまいます。そのため、猫は普段以上に食事を欲しがるようになります。
・体重減少
猫がたくさん食べていても、インスリンが不足しているために体は十分なエネルギーを得られません。そこで、体は脂肪や筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするため、結果として体重が減ってしまいます。
・倦怠感や元気の低下
糖尿病によってエネルギーがうまく細胞に行き渡らなくなるため、猫は疲れやすくなり、普段より元気がなくなって活動量が減ってしまいます。
・毛艶の悪化
糖尿病の影響で体の調子が悪くなると、被毛にも変化が現れます。毛がパサつき、艶がなくなってしまうことがあります。
・嘔吐や脱水症状
糖尿病が進行すると、嘔吐や脱水症状が見られることがあり、これらは緊急の対応が必要なサインです。
猫の糖尿病のリスク要因とは?|年齢や肥満が引き金に
・年齢(中年以上の猫)
猫の糖尿病は、中年以上の猫に多く見られます。年齢を重ねることでインスリンの分泌が減少し、糖尿病のリスクが高まると考えられています。
・肥満
肥満は、糖尿病の大きなリスク要因の一つです。肥満になるとインスリンに対する細胞の反応が鈍くなり、血糖値のコントロールが難しくなります。特に室内飼いの猫は運動不足になりやすいため、肥満により糖尿病を発症しやすくなる傾向があります。
・去勢・避妊
去勢や避妊手術を受けた猫は、ホルモンバランスの変化によって体重が増えやすくなり、糖尿病のリスクが高まることがあります。そのため、手術後の体重管理がとても重要です。
・品種
一部の猫種は、他の猫種に比べて糖尿病のリスクが高いとされています。特に、バーミーズは糖尿病にかかりやすい傾向があることが知られています。
・運動不足
運動不足は肥満を招き、インスリンに対する感受性が低下してしまいます。特に室内飼いの猫は運動量が少なくなりやすく、その結果、肥満や糖尿病のリスクが高まります。
猫の糖尿病の診断方法|血液検査や尿検査で確認
猫の糖尿病は、血液検査や尿検査をもとに診断されます。以下に一般的な診断方法をご紹介します。
・血糖値測定
血液を採取し、血糖値を測定します。糖尿病の猫は、インスリン不足やインスリンに対する反応が低下しているため、血糖値が通常よりも高くなります。
ただし、一時的なストレスでも血糖値が上昇することがあるため、血糖値測定だけでなく、他の検査結果も総合的に判断して診断が行われます。
・尿検査
尿検査では、尿中に糖(グルコース)やケトン体が含まれているかを調べます。糖尿病になると、血中の糖が過剰になり、腎臓で処理しきれずに尿に糖が漏れ出してしまいます。
また、ケトン体は、糖をエネルギー源として利用できない状態で脂肪が代謝された結果として現れるため、糖尿病の指標の一つです。
・フルクトサミン検査
フルクトサミン検査は、過去1〜2週間の平均血糖値を測定する検査です。この検査は、血糖値の一時的な上昇やストレスによる影響を避け、持続的な高血糖状態があったかどうかを確認できるため、より正確な糖尿病の診断に役立ちます。フルクトサミン値が高い場合、長期間にわたって血糖値が高かったことがわかります。
猫の糖尿病治療|インスリン治療と最新の経口薬センベルゴ
猫の糖尿病は、インスリン治療や経口薬、食事療法、運動療法など、さまざまな方法で管理されます。ここでは、特に2024年9月に発売された経口治療薬「センベルゴ」に焦点を当てて解説します。
<センベルゴ(経口投与薬)>
センベルゴは、従来のインスリン注射に代わる新しい経口治療薬です。その主な特徴とメリットは以下の通りです。
・経口投与
飼い主様が毎日インスリン注射を行う必要がないため、注射に抵抗がある猫や飼い主様にとって、ストレスが少ない治療法です。
・低血糖のリスクが少ない
インスリン注射に伴う低血糖症は非常に危険ですが、センベルゴはそのリスクが軽減されており、安全性が高いとされています。
・入院の必要がない
通院のみで治療を続けられるため、猫のストレスを軽減し、飼い主様の負担も軽くなります。
・センベルゴを使用する際の注意点
センベルゴを使用する場合は、定期的にケトン体の検査を行うことが推奨されています。ケトン体は、糖尿病の状態が悪化すると体内で増加する可能性があるため、これを確認することで糖尿病の管理がより安全に行えます。ケトン体の検査は、愛猫の健康をしっかりと見守るために大切なステップです。
<インスリン治療>
インスリン注射は、長年にわたり糖尿病治療の基本となっています。インスリンを注射することで、体内で不足しているホルモンを補い、血糖値を正常に保つことができます。
インスリン治療には毎日の注射が必要ですが、正確な量を調整することが大切です。
注射が苦手な猫にとってはストレスになることもあるため、飼い主様がサポートしてあげることが重要です。少しずつ慣れさせながら、猫にできるだけ負担をかけないように工夫していくことが大切です。
<食事療法>
糖尿病の猫には、低炭水化物食が推奨されています。炭水化物を減らすことで、インスリンが効率的に働き、必要なインスリン量を減らすことができます。療法食には糖尿病用のフードがあり、それを主食にすることで、血糖値を安定させる効果が期待できます。
<運動療法>
適度な運動は、糖尿病の管理にとても役立ちます。運動を通じて体重をコントロールし、インスリンの働きを助けることで、血糖値の安定に繋がります。ただし、過度な運動は血糖値の急激な変化を引き起こすことがあるため、獣医師と相談して、無理のない運動量を決めることが大切です。
猫の糖尿病を予防するための日常ケアと健康管理
糖尿病は一度発症すると管理が大変な病気ですが、日々のケアでリスクを大幅に減らすことができます。ここでは、猫の糖尿病を予防するための主な対策をご紹介します。
<適切な体重管理>
肥満予防は、糖尿病予防の中で最も重要なポイントです。猫が太りすぎると、インスリンの働きが鈍くなり、血糖値をコントロールする能力が低下します。
バランスの取れた食事と運動で、適切な体重を維持しましょう。特に室内飼育の猫は運動不足になりがちなので、キャットタワーやおもちゃを活用して運動量を確保することが大切です。
<バランスの取れた食事>
糖尿病の予防には、バランスの良い食事が欠かせません。猫には高品質なタンパク質が必要で、炭水化物の摂取はできるだけ控えるのが理想です。糖質が多いフードやおやつを避け、カロリーと栄養バランスに気を配りましょう。
<定期的な健康診断>
猫は糖尿病の初期段階で目立った症状を示さないことが多いため、定期健康診断が重要です。
1年に1回の血液検査や尿検査を受けることで、糖尿病の早期発見が可能になります。特に中高齢や肥満傾向のある猫は、定期的に診察を受けることをおすすめします。
<運動を取り入れる>
適度な運動は、糖尿病予防に役立ちます。日常的な遊びや運動を通じて体重を管理し、インスリンの働きを助けることができます。猫が楽しみながらできる運動を取り入れてあげることで、健康維持に繋がります。
まとめ
猫の糖尿病は、早期に発見して適切な治療を始めることで、長期的な健康を維持することができます。早期発見と治療が最も大切で、定期的な健康診断や日々の様子をしっかり観察することがその第一歩です。
特に肥満や加齢に伴うリスクが高い猫は、症状が見られないうちからしっかりとケアすることが重要です。定期的に獣医師の診察を受け、血糖値の測定や適切な食事、体重管理を心がけることで、糖尿病のリスクを抑えることができます。
愛猫が元気で長く健康に過ごせるように、少しでも気になる症状があれば、迷わず獣医師に相談することが大切です。
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症例
愛犬が下痢をする理由とは?元気でも見逃せないポイント
愛犬が下痢をしていても、元気や食欲がある場合、必ずしも深刻な病気というわけではありません。
犬の下痢は、消化不良やストレス、食事の変化などが原因で、一時的に起こることがよくあります。たとえば、新しい食材を試したときや、環境の変化によってストレスを感じたときに、短期間の下痢が見られることもあります。
しかし、油断は禁物です。元気そうに見えても、下痢が続くと脱水症状のリスクが高まるため、特に数日間にわたって下痢が続く場合は注意が必要です。下痢が長引くと、栄養の吸収が十分に行われず、体調に悪影響を及ぼすことがあります。
下痢が繰り返される場合や、他に気になる症状(嘔吐、血便、食欲の低下など)が見られるときは、早めに獣医師に相談することが大切です。
特に子犬の場合は、軽度の下痢でも体調への影響が大きくなることがありますので、慎重に対応することを心がけましょう。
今回は元気があるのに下痢をしてしまう原因と、動物病院への相談が必要なケース、下痢予防のための日常ケアについて解説します。
元気なのに下痢?犬が下痢をする意外な原因とは?
元気や食欲がある愛犬でも、時折下痢をすることがあります。
ここでは、比較的軽い原因について詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
・食事の変更
突然の食事変更は、愛犬の消化器に負担をかけてしまい、消化不良や下痢を引き起こすことがあります。新しいフードに切り替える際は、少しずつ慣れさせることが大切です。急に切り替えてしまうと、消化器がうまく適応できず、下痢の原因となることがあります。
・軽度の食あたり
普段食べ慣れていないものを食べた場合、軽度の食あたりで下痢を引き起こすことがあります。たとえば、人間の食べ物やゴミ、草などが消化不良を起こし、一時的に下痢になることがあります。
・ストレスによる下痢
環境の変化や家族構成の変化、旅行などで愛犬がストレスを感じると、腸の動きが乱れやすくなり、下痢を引き起こすことがあります。
・消化不良
愛犬が早食いや一度に大量の食べ物を食べた場合、消化不良を起こし、下痢をしてしまうことがあります。
・軽度の寄生虫感染
軽度の寄生虫感染(例:回虫や鉤虫)も下痢を引き起こすことがあります。この場合、駆虫薬の投与が必要になることもあります。
こんな症状に注意!|愛犬の下痢で見逃せないサイン
元気や食欲がある愛犬でも、下痢の内容によっては早めの対応が必要になることがあります。特に、次のような異常な便が見られた場合は、早めに獣医師に相談してください。
・血便
便に鮮血が混ざっている場合、消化管のどこかで出血が起きている可能性があります。
大腸や肛門に炎症が起きている場合や、感染症や傷が原因で出血することが多く、特に出血の量が多い場合は注意が必要です。
・黒色便
黒色の便(タール便)は、消化管の上部(胃や小腸)で出血が起きているサインです。これは、消化された血液が便に混ざって黒くなっている状態を示しており、消化器の潰瘍や出血性の疾患が疑われます。
・粘液便
便に粘液が多く含まれている場合は、腸内で炎症が起きている可能性があります。
ストレスや軽い感染症が原因となることもありますが、粘液便が長引く場合は腸炎などの病気が疑われます。
・長引く下痢
短期間の下痢であれば、一時的な消化不良で済むこともありますが、数日以上続く場合は脱水や栄養不足につながる恐れがあります。
慢性的な下痢は、消化器系の腫瘍やアレルギー、寄生虫感染が原因となっていることもあるため、注意が必要です。
・異常に強い臭いの便
便の異常な臭いも注意すべきサインです。ウイルス感染症や腸内細菌のバランスが崩れていることが原因で、臭いが強くなることがあります。
どのような場合に動物病院へ相談すべき?
家庭での対処を行っても愛犬の下痢が改善しない場合や、以下のような危険な症状が見られた際には、早めに動物病院に相談することが大切です。
・脱水症状
下痢が長引くと、体内の水分が急速に失われ、愛犬が脱水症状を引き起こすことがあります。口の乾きや皮膚の弾力が低下することが、脱水の主なサインです。
脱水は早急な治療が必要なので、放置せずに動物病院で輸液などの対応を受けることが重要です。
・発熱
下痢に加えて発熱が見られる場合は、感染症や体内の炎症が原因になっていることが考えられます。たとえ元気に見えても、発熱が確認できたら病気が進行している可能性があるため、早めに獣医師に相談することが大切です。
・嘔吐を伴う
嘔吐を伴う下痢は、腸や胃に大きなトラブルがある可能性があります。食べ物がうまく消化できない状態や、異物を誤って飲み込んでいることが考えられるため、早急な対応が必要です
・下痢が2~3日以上続く
軽度の下痢でも、2〜3日以上続く場合は慢性化する恐れがあります。特に、何らかの治療を試しても改善しない場合は、消化器系の疾患やアレルギーが原因である可能性が高いため、早めに獣医師に相談することが大切です。
・体重減少
下痢が続くと、栄養の吸収が十分に行われず、体重が減少してしまうことがあります。特に急激な体重減少が見られる場合、下痢以外の深刻な健康問題が隠れている可能性もあるため、早めに獣医師に相談することが大切です。
下痢の診断と治療法
<診断方法>
下痢の原因を特定するために、まず問診と身体検査が行われます。飼い主様には、食事内容や生活環境、下痢の期間や頻度について詳しくお聞きし、それを基に以下のような検査を行います。
・糞便検査
糞便を採取して、寄生虫や細菌、ウイルスの有無を確認します。特に寄生虫感染や細菌性の下痢の場合、糞便中にその兆候が見られることが多いです。
・血液検査
血液検査では、感染症や炎症、臓器の機能に異常がないかを確認します。たとえば、肝臓や腎臓の状態が下痢の原因となっている場合、血液検査でその兆候が確認されることがあります。
・X線や超音波検査
消化管の状態を詳しく調べるために、X線検査や超音波検査が行われることもあります。これにより、異物を誤飲していないか、腫瘍や腸閉塞などの重篤な原因がないかを確認します。
<治療法>
診断結果に基づき、下痢の原因に応じた治療が行われます。
・食事療法
一般的な治療として、消化に優しい療法食が処方されることが多いです。特に、消化不良が原因の場合は、消化しやすいフードに切り替えて腸を休めることで、症状の改善が期待できます。
・薬物療法
細菌感染や寄生虫感染が原因の場合、抗生物質や駆虫薬が処方されます。
また、症状に応じて、止瀉薬や痛み止め、吐き気を抑える薬なども使用され、対症療法が行われます。これにより、下痢の原因となる病原体を排除し、症状を和らげます。
・プロバイオティクス
腸内環境の改善を目的として、プロバイオティクスや消化酵素が処方されることもあります。善玉菌を増やして腸の働きを整え、下痢の改善に役立ちます。
・点滴治療
下痢が長引いて脱水症状が疑われる場合は、点滴治療が行われます。体内の水分と電解質のバランスを整えるために、輸液を行い、体調を回復させます。
・外科的処置
もし異物の誤飲や、腫瘍が原因で下痢が起こっている場合は、外科的な処置が必要になることがあります。
愛犬の下痢予防に必要な日常ケアと健康管理のポイント
<バランスの良い食事管理>
食事は、愛犬の健康を支える大切な要素です。栄養バランスの取れた食事を準備することで、消化器の健康を守ることができます。
新しいフードに変える際には、急に切り替えず、少しずつ進めていくことが大切です。愛犬の体に負担をかけないよう、ゆっくりと慣らしてあげましょう。
<規則正しい生活リズム>
毎日を規則正しく過ごすことも、愛犬の下痢予防に効果的です。決まった時間に食事をする習慣や、適度な運動を取り入れることで、消化器官のリズムが整いやすくなります。
また、ストレスや過度な運動は消化不良の原因になることもあるので、愛犬が無理せずリラックスできる環境を心がけましょう。
<ストレスを軽減する工夫>
犬は環境の変化や飼い主がいない時間が長いと、ストレスを感じやすくなります。そのストレスが下痢の原因になることもあります。新しい環境に慣れる時間をしっかりと確保し、安心して過ごせる場所を作るなど、日常的にストレスを軽減する工夫が必要です。
<定期的な健康チェック>
定期的に健康診断を受けることで、病気や体調不良を早期に発見できます。特に下痢が頻繁に見られる場合は、寄生虫感染や消化器系の病気が隠れている可能性も考えられるため、早めに獣医師に相談し、必要な検査を受けることが大切です。
<清潔な環境を保つ>
愛犬が暮らす環境を清潔に保つことも、下痢予防には欠かせません。食器やベッドをこまめに清掃し、トイレエリアを清潔に保つことで、感染や消化不良のリスクを減らすことができます。
こうした日常的なケアが、愛犬の健康維持に役立ち、下痢のリスクを最小限に抑えることにつながります。
まとめ
犬の下痢は一時的で軽度な場合もありますが、注意深く観察することが大切です。
下痢が数日以上続く、便に異常が見られる、または他の症状(嘔吐、脱水、発熱など)が併発する場合は、早めに獣医師に相談することが重要です。
適切な治療を受けることで、症状の悪化や、他の健康問題へ進行するのを防ぐことができます。
愛犬の健康を守るためには、普段からしっかりと観察し、気になる症状があれば迷わず動物病院に連絡するようにしましょう。
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・犬や猫の消化管間質腫瘍(GIST)について
・犬や猫の肛門周囲腫瘍について千葉県市原市の動物病院なら「姉ヶ崎どうぶつ病院」
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症例
犬と猫の健康診断の重要性について|気になる愛犬・愛猫の健康チェック!
最近、飼い主様の愛犬や愛猫の健康への意識が高まり、毎年健康診断を受ける方が増えています。
健康診断は、病気の早期発見・早期治療に役立つだけでなく、日頃の疑問や不安を獣医師に相談できるよい機会でもあります。
今回は犬と猫の健康診断の重要性について詳しく解説します。
健康診断の目的
健康診断の一番の目的は病気を早期に発見し、早期に治療することです。早期発見・早期治療は、愛犬や愛猫のQOL(生活の質)を向上させ、長期的には医療費の負担を減らすことにもつながります。
特に腫瘍や腎臓病などの病気は、症状が出るまで時間がかかることが多いため、健康診断で早めに見つけることが非常に大切です。
また、健康診断は予防医療の面でも大きな意味があります。飼い主様と獣医師がしっかりコミュニケーションをとることで、疑問や不安を解消し、適切な飼育環境を整え、肥満を予防することができます。これにより、愛犬や愛猫のQOLが向上し、病気の予防にもつながります。
「予防は治療に勝る」という言葉があるように、健康診断で病気を予防することは、早期発見・早期治療以上に多くのメリットをもたらします。
健康診断の頻度
健康診断の理想的な頻度については、獣医師によって多少の違いがありますが、基本的には年に1回を目安にしてください。7〜8歳を超えてシニア期に入ると、さまざまな病気のリスクが高まるため、半年に1回程度に増やすこともよいでしょう。
もちろん、基礎疾患や現在の健康状態によって適切な頻度は異なりますので、当院の獣医師にご相談ください。
犬と猫で推奨される健康診断の頻度は大きく変わりませんが、猫は病気の兆候に気づきにくいことが多い傾向があります。
特に加齢に伴い、猫では慢性腎臓病のリスクが高まるため、不安がある場合は健康診断の頻度を増やすことを検討してみましょう。
また、特定の品種に多く見られる疾患が心配な場合も、獣医師と相談しながら適切な健康診断の頻度を決めることをおすすめします。
健康診断の主な検査項目とその重要性
健康診断で行う主な項目は以下の通りです。
<問診>
飼い主様から、日頃の様子や気になる点についてお話を伺います。普段の生活で見られる小さな変化や、飼い主様だからこそ気づく異変を確認することで、病気の早期発見につながることがあります。
どんな些細なことでも構いませんので、気になることや不安に感じていることがあれば、ぜひお話しください。
<身体検査>
視診、触診、聴診などで全身を丁寧にチェックします。特に視診での口腔内疾患や白内障の確認、聴診での心雑音のチェックは重要です。
また、体重測定や体型の評価を行い、太りすぎや痩せすぎていないかを確認します。
「肥満は万病の元」という言葉もあるように、肥満は関節疾患や呼吸器疾患などさまざまな病気のリスクを高めるため、注意が必要です。
<血液検査>
全血球計算(CBC)では、赤血球や白血球、血小板の数を測定し、貧血や炎症の有無、白血病の兆候などを確認します。
さらに、血液生化学検査では血糖値や腎臓、肝臓に関連する数値、電解質バランスを調べ、腎臓病や肝臓病、糖尿病、脱水症状の早期発見や病状の確認が可能です。
また、甲状腺ホルモンやコルチゾールなどのホルモン検査で、甲状腺疾患などの内分泌疾患を評価することもあります。
<レントゲン検査>
胸部・腹部のレントゲン撮影は、健康診断において欠かせない検査です。
心臓や肺、腹部の臓器、骨、関節の状態を同時に確認でき、腫瘍や転移の早期発見にも役立ちます。さまざまな病気の診断に有効な検査です。
<エコー検査>
腹部エコー検査では、腎臓や肝臓、脾臓、膀胱、消化管、リンパ節などを詳しく観察します。エコーでは臓器の動きや大きさ、内部の状態をリアルタイムで確認できるため、腹腔内に発生した腫瘍の評価や尿路結石の位置や大きさなどの検査に役立ちます。
心臓エコーでは心臓内部や弁の動き、血流などを確認し、心臓の機能に問題がないか評価します。
<尿検査>
尿検査では持参いただいた尿や院内で採取した尿を使って、尿比重や尿タンパク、結晶、細菌などを調べます。
腎臓や膀胱の健康状態を確認するほか、糖尿病や尿路感染症の早期発見に有効です。
<糞便検査>
便の中に血液や寄生虫が混じっていないかを確認し、消化器系の健康をチェックします。
健康診断で発見される主な疾患
健康診断で発見されることが多い主な疾患は以下の通りです。
<犬>
・口腔内疾患
・僧帽弁閉鎖不全症
・短頭種気道症候群
・膝蓋骨脱臼
・関節疾患
・腫瘍性疾患 等
<猫>
・口腔内疾患
・肥大型心筋症
・甲状腺機能亢進症
・慢性腎臓病
・膀胱炎
・尿路結石
・腫瘍性疾患
・糖尿病
・関節疾患 等
姉ヶ崎どうぶつ病院の健康診断
当院では、Team HOPEおよびAAHA(アメリカ動物病院協会)が提唱する健康診断の項目をベースにした、信頼性の高い健康診断コースをご用意しています。
Team HOPE(公式サイト)は、動物医療の現場で広く支持されている健康診断の基準を策定しており、当院でもその項目をしっかりと取り入れています。また、AAHA(公式サイト)はアメリカで動物医療の基準を確立している団体で、世界中の動物病院に影響を与えています。
これらの基準に基づいた健康診断を通じて、早期発見や予防に力を入れており、飼い主様が安心して愛犬や愛猫の健康を守れるようサポートいたします。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
愛犬や愛猫の健康を守るために、定期的な健康診断は欠かせません。
飼い主様は毎日の生活の中で、誰よりも早く小さな変化に気づける存在です。だからこそ、日常の様子や体調の変化を見逃さずにチェックすることが大切です。
もし少しでも気になることがあったら、無理せずかかりつけの獣医師に相談してみましょう。大切な家族の健康を守るために、早めの対応が安心につながります。
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症例
犬と猫のてんかんについて|発作が起きたときに慌てないために
「てんかん」と聞くと、突然発作が起きて意識を失う病気というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は犬や猫にもよく見られる神経疾患です。
てんかん発作は、脳の神経細胞の異常な興奮によって生じる、一時的なけいれんや意識障害、異常行動を指します。
今回は、犬や猫のてんかんの原因や症状、診断方法、治療方法について詳しく解説します。
てんかんの種類
てんかんは大きく分けて、「特発性てんかん」と「構造的てんかん(症候性てんかん)」の2種類があります。
また、低酸素や低カルシウム血症などが原因で発作が起こる「反応性発作」もありますが、これは厳密にはてんかん発作には含まれません。
<特発性てんかん>
発作の原因がはっきりしていないてんかんです。おそらく、遺伝子の異常が関与していると考えられています。
特発性てんかんは犬や猫に比較的よく見られるタイプで、犬では約100頭に1頭、猫では約100〜200頭に1頭がこのてんかんを持っていると考えられています。
<構造的てんかん (症候性てんかん)>
脳腫瘍や脳炎、脳外傷など、脳の病気や異常が原因で発作が起こるてんかんです。
原因
てんかんの原因はさまざまで、複数の要因が重なって発作が起こることもあります。
<特発性てんかん>
遺伝子以外のてんかんの原因がすべて否定されているため、遺伝的な要因が関与していると考えられています。
日本ではあまり見られない犬種ですが、ラゴット・ロマニョーロやローデシアン・リッジバックといった犬種で、てんかん発作に関連する遺伝子異常が報告されています。
<構造的てんかん>
大脳皮質の器質的な異常(脳腫瘍、脳炎、脳外傷、水頭症など)が原因となり、発作が起こります。
また、代謝異常による脳のダメージや、金属や薬物などの中毒が原因で発作が引き起こされることもあります。
症状
てんかんは、発作のタイプによって部分発作と全般発作に分類されます。これは脳の細胞が過剰に興奮することで引き起こされ、どの部分が影響を受けるかによって異なります。
部分発作は、脳の一部で電気的興奮が限局して起こるものです。
例えば、運動に関わる脳の部位に発作の焦点がある場合、顔面のけいれんや四肢がガクガクと震えるような症状が見られます。
視覚に関わる脳の部位に発作の焦点があると、フライバイト(ハエ追い行動)と呼ばれる、空中を見つめてハエなどの虫を追いかけるような行動や、幻覚を見ているかのような仕草が見られます。
一方、全般発作は、脳の一部で始まった電気的興奮が脳全体に広がるものです。
この場合、意識を失ったり、よだれが増えたり、失禁することが多く、全身がピンと突っ張ったり、ガタガタと震える強直間代性発作が見られることがあります。
発作の前兆として、突然落ち着きがなくなったり、不安そうな様子になったりすることがあります。また、発作後には、攻撃的な行動を取ったり、徘徊したり、意識がはっきりしない、運動がぎこちないといった発作後徴候が見られることがあります。
診断方法
てんかんの診断は、まずこれまでの発作の経過や発作時の様子を詳しく伺うことから始まります。もし、ご自宅で発作の様子を録画した動画があれば、診断に大変役立ちます。
てんかん発作に似た症状が、心臓病による低酸素や失神、中毒症状などでも現れることがあるため、まずは身体検査や血液検査、レントゲン検査、心電図検査などで全身の健康状態を確認します。その後、脳や脊髄など中枢神経系の状態を調べるために神経学的検査を行います。さらに、脳腫瘍や脳炎などが原因で発作が起きていないか確認するため、CT検査やMRI検査、脳脊髄液検査(脳脊髄液を採取して検査する方法)を行い、脳の状態や脳脊髄液の性状を確認します(外部の専門機関をご紹介します)。
これらすべての検査で異常が見つからなくても発作が続く場合は、特発性てんかんと診断されます。
逆に、MRIやCT検査で脳に炎症や腫瘍が認められた場合は、それらが原因のてんかんと診断されます。
特発性てんかんの診断は通常、MRI検査や脳脊髄液検査で他の病気を除外して行いますが、脳波検査でてんかんに特有の波形が確認できれば、さらに信頼性の高い診断を行うことが可能です。
治療方法
てんかんの治療の基本は、抗てんかん薬(フェノバルビタール、臭化カリウム、レベチラセタム、ゾニサミドなど)という、てんかんの発作頻度を抑える薬を服用します。
また、補助的な治療として、食事療法やサプリメントの使用が稀に行われることもあります。例えば、医療用大麻由来のカンナビジオール(CBD)が一部で使用されるケースもあります。
最近では、てんかん外科と呼ばれる脳外科手術によって、難治性のてんかんを治療する試みも始まっており、国内でも試験的に行われています。
通常、てんかん発作は安静にしていれば5分程度で治まりますが、5分以上続く場合はてんかん重積と呼ばれ、緊急の治療が必要です。
この場合、ジアゼパムやミダゾラムなどの強力な抗けいれん薬を使用して、速やかに発作を抑えます。
予後
一般的に、抗てんかん薬を使用した場合、発作がうまくコントロールできる割合は60〜70%ほどと言われています。しかし、残りの30〜40%は難治性てんかんと呼ばれ、薬でのコントロールが難しいケースです。このような場合は、食事療法やサプリメント治療、てんかん外科などを検討します。
てんかん発作は、犬や猫の生活の質(QOL)に大きな影響を与えるため、早期に治療を開始し、発作をできる限りコントロールすることが非常に重要です。
てんかんは完治する病気ではないため、基本的には一生抗てんかん薬を服用しながら病気と向き合う必要があります。
発作の頻度に応じて薬の量を調整することはありますが、長期的な管理が必要であることを理解していただければと思います。
ご家庭での注意点
てんかん発作は基本的に自然に治まることが多いため、発作が始まったらなるべく刺激しないことが大切です。発作が起きたら、できるだけ周囲に危険なものがない安全な場所で発作が治まるのを静かに見守りましょう。
このとき、発作の様子の録画や時間を測っておくと、診断や治療に役立ちます。また、発作が起きた日時、発作の様子、持続時間、その後の状態などを記録しておくことも重要です。
処方された薬は、必ず獣医師の指示通りに服用し、定期的に動物病院で検査を受けるようにしてください。運動や食事については、特別な指示がなければ通常通りで問題ありません。
さらに、発作時に物にぶつかって怪我をしないよう、部屋を整理整頓しておくことや、ストレスをできるだけ減らすよう心がけることも大切です。
まとめ
てんかんはQOLに大きく影響を与えるため、早期診断と早期治療が非常に重要です。もし、てんかん発作を疑うような症状が見られた場合は、まずは獣医師に相談してください。
てんかんの治療は基本的に生涯にわたって続くため、信頼できる獣医師と飼い主様が連携しながら治療を進めることが大切です。
また、発作が30分以上続くと脳に後遺症が残る可能性があり、5分以上続く場合は発作が長引くリスクが高まります。5分以上発作が続く場合は、様子を見ずにすぐにかかりつけの動物病院や夜間救急病院を受診してください。
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症例
犬と猫の誤嚥性肺炎|年を取って飲み込む力が弱まっているとなりやすい?
誤嚥性肺炎とは、食べ物や液体が本来入るべき食道ではなく、誤って気管に入ることで発生する肺炎のことです。
通常、嚥下機能(食べ物を咀嚼して食道に送り込む機能)が正常に働くことで、食べ物や液体が誤って気管に入ることは防がれていますが、何らかの原因で嚥下機能が低下すると、誤嚥が発生しやすくなります。
犬や猫ではそれほど頻繁に見られる病気ではありませんが、嚥下機能が低下するシニア期に入り嚥下機能が低下した場合や、強制給餌を行っている場合、または巨大食道症(食道が拡張する病気)で頻繁に吐き戻しをしていると、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
今回は、犬と猫の誤嚥性肺炎について、その原因や症状、診断法、治療法を詳しく解説します。
原因
口の中には無数の細菌が存在しており、咀嚼した食べ物にも多くの細菌が付着しています。通常、食べ物は嚥下によって食道に送られて気管には入らないため、気管や肺は無菌の状態が保たれています。
しかし、嚥下機能が低下して食べ物や異物が誤って気管に入ると、それに付着した細菌や物理的な刺激によって炎症が起こり、肺炎が引き起こされます。これが誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎の主な原因は以下の通りです。
・加齢による嚥下機能の低下・巨大食道症による吐き戻し
・意識レベルの低下時、麻酔中、または麻酔から覚める際の嘔吐
・誤った強制給餌や投薬
特に、嚥下機能が低下しているシニア期やフードを早食いする癖がある犬は注意が必要です。さらに、フレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭犬種、巨大食道症や喉頭麻痺の既往歴がある場合も、誤嚥性肺炎のリスク因子となるため注意してください。
よくある誤嚥のケース
通常、嚥下機能が正常であれば誤嚥はほとんど起こりません。しかし、頻繁に誤嚥が見られる場合、何らかの原因で嚥下機能が低下している可能性があります。
また、誤嚥の発生には以下のようないくつか共通するパターンがあります。
・巨大食道症や喉頭麻痺の子が、うまく吐き出せずに誤嚥してしまうことがある
・高齢の犬や猫が横になったまま物を飲み込もうとする
・強制給餌を行って誤嚥してしまう
・年を取って飲み込む力が弱まり、誤嚥してしまう
・呼吸器疾患で咳をしながら飲み込むことで誤嚥してしまう
・フードを急いで食べ過ぎて誤嚥してしまう
これらのケースに当てはまる場合は、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるため、特に注意が必要です。
症状
誤嚥性肺炎には、大きく分けて3つのステージがあります。
1、気道反応:誤嚥の初期には、気管や気管支に浮腫や収縮が見られます。
2、炎症反応:炎症細胞である好中球やマクロファージが炎症部位に集まり、肺血管の透過性が亢進します。炎症が強い場合は肺水腫(肺に血液の液体成分が溜まり、呼吸困難になる状態)になることがあります。
3、二次感染:細菌の二次感染により、細菌性肺炎が生じ、重症化します。
これらのステージによって症状は異なり、初期には咳や発熱などが見られますが、進行すると呼吸困難や元気・食欲の低下、ぐったりして動かないといった全身的な症状が現れます。
犬と猫で症状に大きな差はありませんが、猫の方が症状がはっきりしないことが多いです。進行しても咳や呼吸困難といった症状に気づきにくいため、特に注意が必要です。
誤嚥性肺炎に限らず、猫は体調が悪くなると隠れたり、元気や食欲が低下したりする傾向が強いので、これらのサインを見逃さないようにしてください。
診断方法
誤嚥性肺炎の診断は、以下の方法で行います。
・身体検査:発熱や咳があるか、呼吸数や肺音に異常がないかを確認します。
・血液検査:白血球数やCRP、SAAなどの炎症マーカー(炎症時に上昇する項目)に異常がないかを調べ、全身の状態を把握します。
・レントゲン検査:誤嚥性肺炎の場合、レントゲンで肺が白く映ります。特に右中葉、右前葉、左前葉後部に炎症が起こりやすいです。また、肺水腫の有無も確認します。
・超音波検査:肺炎に特徴的な所見や、吐出や嘔吐の原因となる疾患が腹部臓器にないかを確認します。
まれに、より正確に炎症部位の把握や、誤嚥性肺炎を引き起こす原因疾患を特定するために、全身麻酔をかけてCT検査を行うこともあります。
治療方法
誤嚥性肺炎は呼吸に直接影響し、命に関わるため、入院して集中的な治療を行うことが多いです。
主な治療方法は以下の通りです。
・酸素療法:呼吸状態が悪い場合に行います。
・抗菌薬の投与:細菌の二次感染を予防・治療するために必要です。
・輸液療法:体液の補充を行いますが、過剰な輸液は肺水腫を引き起こし、呼吸状態をさらに悪化させる可能性があるため、慎重に行います。
入院中はこれらの治療を行いながら、体力の回復を待ちます。
予防法
誤嚥性肺炎は飼い主様の工夫次第である程度予防することが可能です。
具体的には、横になったまま強制給餌を行わないようにすること、早食いを防ぐために専用の食器を使うこと、フードを少量ずつ与えることが挙げられます。また、定期的に健康診断を受けることも重要です。
さらに、巨大食道症や喉頭麻痺などの既往歴がある場合には、適切な治療を継続することが必要です。
これらの適切な食事管理や定期的な健康チェックが、誤嚥性肺炎の予防に繋がります。
まとめ
誤嚥性肺炎の多くは1週間程度で回復しますが、シニアの場合や治療が遅れた場合には重症化して命に関わることもあるため、決して油断はできません。
誤嚥性肺炎は呼吸に直接影響するため、早期発見と早期治療が治療成績に大きく影響します。もし、愛犬や愛猫の呼吸や普段の様子に違和感があれば、すぐに動物病院を受診してください。
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